MATINEE
監督:ジョー・ダンテ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:サイモン・フェントン、オムリ・カッツ、ケリー・マーティン、リサ・ジャクブ、ジョン・グッドマン、キャシー・モリアーティ、ロバート・ピカード、ケヴィン・マッカーシー、ナオミ・ワッツ
1993年 アメリカ映画


ジョー・ダンテ監督が撮った映画愛に溢れるノスタルジックな青春パニックコメディ。
B級ホラーで知られたジョー・ダンテが青春ものを撮ってること自体笑えるのですが、
ダンテ監督のカラーが前面に出たマニアックな作品でもあります。
ストーリーは、キューバ危機の頃を舞台に、毎週末には映画館に足しげく通う映画少年が、
原子蟻人間の恐怖を描く新作ホラー映画が上映されると聞いて、
弟やガールフレンドと一緒に映画館に足を運ぶのですが、そこで思わぬ騒動が巻き起こる・・・・というお話。
タイトルの「マチネー」というのは、フランス語で「昼間の興行」というような意味だそうです。
劇中の短編怪奇映画「MANT!」もダンテ監督が35ミリフィルムで撮影した作品で、
彼の古き良き怪奇映画へのリスペクトが強く感じられる作品になっています。




音楽は、ジョー・ダンテ監督とのコラボが多い巨匠ジェリー・ゴールドスミス。
「トムとジェリー」みたいなとぼけたような要素とリリカルなストリングススコアが同居するほのぼのとしたスコアです。
イージー・リスニングの名曲「夏の日の恋」を彷彿とさせるモチーフも出てきます。
90年代の初頭というと、巨匠が派手なアクション・スコアから遠ざかっていた時期だったように記憶しているのですが、
まだ若かったおっさんは、このサントラを初めて聴いた時には、「なんだ、おとなしいスコアでつまんないなあ」と
もう少しで売り飛ばすところでしたが、おっさんになって改めて聴いてみると案外といいものです。
往年の派手なアクション・スコアの面影はほとんどありませんが、
改めてじっくりと聴き込んでみると、なかなか味わい深いスコアです。
この頃の米Varese原盤のスコアは、どれも収録時間が異様に短いのが特徴で(何でだったんだろ)、
本作品もたった37分しか収録されていません。
そのうち完全盤でも出ないかなあと思っているのですが、いまだに実現していません。

一応、CDと同内容のダウンロード版も出ています。