THE SHADOW
監督:ラッセル・マルケイ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:アレック・ボールドウィン、ジョン・ローン、ペネロープ・アン・ミラー、ピーター・ボイル、イアン・マッケラン、ティム・カリー、ジョナサン・ウィンタース、サブ・シモノー、リリー・マライエ、エイブラハム・ベンルービ
1994年 アメリカ映画


1930年代のアメリカで流行ったラジオドラマの主人公を元ネタにしたという、
日本ではあまり馴染みのないダークヒーローもの。
不敵な笑い声と黒いハットに口を覆う赤いマフラー?がトレードマークのようです(実は、この映画観たことがない)。
ストーリーは、チベットで悪行を重ねていた男に、高僧がお仕置きをした上で、
正義のためだけに使える霊力を与えてアメリカに帰国させます。
男は、謎の怪人としてチンギス・ハンの末裔による世界征服の企みを阻止するために立ち上がる・・・というお話のようです。
キャストは、ジョン・ローンを敵役に配するなど、それなりに豪華な布陣で臨んでいますが、
アレック・ボールドウィンがヒーローというのがいけなかったのかなあ。
でも、ティム・バートン版バットマンのマイケル・キートンも、カッコいいかといえば「?」だったけどなあ 笑。
大コケとまではいかないまでも、あまり世間の評判は芳しくなかったようです。
エンディングでは次回作を予想させますが、「マスターズ超空の覇者」や「ライラの冒険」などと同様、
続編は作られないまま現在に至っています。
監督は、ミュージック・ビデオ界から映画入りしたラッセル・マルケイ。
デビュー作「レイザーバック」や「ハイランダー」シリーズで知られる人ですが、
「バイオハザード3」以降、あんまり名前を聞かなくなったなあ。



音楽は、ジェリー・ゴールドスミス。
ダークヒーローの映画なので、ちゃんとメインとなるモチーフがあります。
どことなく「バットマン」を彷彿とさせるメロディです。
このモチーフが劇伴のあちこちで登場するので、
やはりスコアはこうでなければという嬉しさがこみ上げます 笑。
総じて派手めなサスペンススコアが中心で、この頃ドラマスコアが多かった巨匠の作品の中では、
「燃え」度のあるスコアではないかと思います。
その他にテイラー・デインが歌う主題歌があるのですが、ゴールドスミスはノータッチ。
「ストリート・オブ・ファイアー」のサントラでも知られるジム・スタインマンが手掛けています。
いかにもスタインマンらしい直球の熱血型ポップ・ロックで、かなり気合の入った歌ですが、おっさんはこの手の歌はちょっと苦手。
ゴールドスミスのスコアと並べるとちょっと浮いた感じがします。

本編では、一体どんな感じで流れるんだろう。
サントラは、公開当時にCDが発売されています。
しかし、日本盤CDの解説がなんとも・・・・。
主題歌を歌ったテイラー・デインに関することばかりが紹介され、
スコアについては、ほとんど触れられていませんでした。
(おっさんとしては、熱血系のテイラー・デインの歌は一回聴けばお腹いっぱいなんだけどな~。)
その後、2012年になって米Intradaレーベルから2枚組CDが発売されました。
2枚組CDは、映画で使用されたコンプリートスコアと従来盤が丸ごと収録されています。