DOPPIO BERSAGLIO
監督:ブルーノ・マッティ
音楽:ステファノ・マイネッティ
出演:マイルズ・オキーフ、ボー・スヴェンソン、ドナルド・プレザンス、クリスティン・エルランドソン、リチャード・レイモンド、アレン・コリンズ、アレックス・マクブライド
1986年 イタリア映画


今日は、恒例のイタリア製パチモン・アクションのご紹介。
パチモン・アクション映画は、ほとんどの読者の皆さんにとっては何の役にも立たない情報ですが、
パチモン映画やカス映画は、今ではおっさんのライフワークと化していますので、今日も気にせず紹介します 笑。
基本は、「ランボー2」のヒットにあやかって製作された、亜流ランボーの1本です。
ストーリーは、ベトナム戦争中に、現地妻を作っちゃって子供まで出来ちゃった元兵士が、
現地に残した子供をアメリカに連れて帰ろうとするのですが、法律が壁になって連れて帰れない。
そんな中、政府からベトナムのテロリスト要請施設の情報を入手するという極秘任務を依頼され、
子供を入国させることと引き換えに任務を引き受ける・・・・というお話。
思い付きでとってつけたような親子愛や人喰い鮫の来襲、
ヘリとジープのチェイス、派手な爆発シーン等々、なんでもかんでもてんこ盛りの作品です。
パチモンのくせに爆発シーンや銃火器類はそれなりに出てくるのですが、
ストーリーには深みが無いところは、パチモンらしさ。
まあ、そもそもパチモンにストーリー性など求めてはいけません。
監督は、「ストライク・コマンドー」シリーズをはじめ、
「サンゲリア2」や「新カリギュラ」などのパチモンの続編(二番煎じのさらに出がらし)をコンパクトに手堅くまとめちゃうことで定評のある
職人監督ヴィンセント・ドーンことブルーノ・マッティ。
この作品、なんとAmazonプライムで200円で視聴できちゃいます。
(なお、この作品の解説文が何故か誤植の嵐で、デタラメな文章になっていて抱腹絶倒です 笑)



音楽は、80年代以降のパチモンアクションをそれなりに手掛けるステファノ・マイネッティ。
基本的には、安いオケと打ち込みで作られた経費節約型のスコアです。
メイン・タイトル扱いのスコアは、意外にもヒロイックなメロを持った佳曲(ちょっと盛ってます)。
劇伴では、軍事作戦を遂行するバックに、お約束のミリタリー調のスネアをあしらったアクションスコアが登場し、
時折、クリストファー・ヤングを彷彿とさせるスコアも出てきます。
本編の一番のウリであるヘリコプターとジープのチェイスシーン(これがウリって、どんだけチープなんじゃ)では、
打ち込みではありますが、激しいアクション・スコアを楽しむことができます(楽しめるのはおっさんだけか 笑)。
また、恐らく親子愛を表現しようとしたのではないかと思われる感傷的なピアノ曲もあります。
そして、エンディングでは、女性ボーカルによる主題歌まで流れます。
主題歌は、Rosanna Napoliという女性が歌う"Losing You"という曲で、
ラニ・ホールが歌う”ネバー・セイ・ネバー・アゲイン”のような大人の雰囲気をもった曲で、
なかなかゴージャズです(かなり盛ってます)。
サントラは、公開当時にイタリアのBeatレーベルからLPが発売されましたが、CD化はされていません。
たぶん、CDにはならないだろうなあ。