UOMINI E SQUALI

監督:ブルーノ・ヴァイラディ
音楽:ダニエル・パトゥッキ
1975年 イタリア/日本映画


久々のパチモン作品のご紹介。
しかも、日本との合作。
「ジョーズ」のブームと「グレート・ハンティング」のヒットにあやかって製作されたと思しきサメのドキュメンタリー。
この映画、監督が脚本も編集も兼ねています。
短時間で製作されたと思しきその映像は、世界各地のサメの生態だけでは間が持たず、ほかの海洋生物のエピソードなどを織り込み、何とか一本の作品にしていますが、一番の見どころがサメにダイバーが足を食いちぎられるところというのがいかにもパチモンらしい。
比較的まじめなドキュメンタリーなのですが、やっぱりグロを持ってこないと気が済まなかったのでしょう 笑。
日本語のナレーションを、おっさん世代には「ザ ・ガードマン」などでお馴染みの神山繁が担当しています。



音楽はダニエル・パトゥッキ。
パチモン王国イタリアでは、巨匠の陰に隠れがちですが、比較的安定したスコアを提供する人です。
本作品でも、なかなかの好スコアを提供しています。
メイン・タイトルは、エンニオ・モリコーネを思わせる流麗なメロを持ったストリングスチューン。
劇伴も、美メロのイージーリスニングタイプのスコアあり、モリコーネを彷彿とさせるチェンバロやフルートがリードを取る室内楽調のスコアあり、
70年代ポリス・アクションを思わせるスリリングなスコアありで、豊富なバリエーションで楽しませてくれます。
中にはサメがダイバーに迫るシーン用の不穏なスコアもありますが、これはサントラでも後半にまとめてあって、これを除けば、アルバム1枚を室内のBGMに使ってもおかしくないレベル。
サントラは、公開時に本国でシングル盤が発売された他、日本限定で東芝からLPが発売されました。
いまだCD化されていませんが、そのうちダウンロード版でもいいから出ないかなと期待しています。