THE DEVIL'S DOUBLE
監督:リー・タマホリ
音楽:クリスチャン・ヘンソン
出演:ドミニク・クーパー、リュディヴィーヌ・サニエ、ラード・ラウィ、フィリップ・クァスト、ダール・サリム、アキン・ガジ、パノ・マスティ
2011年 ベルギー映画
サダム・フセインの長男ウダイの影武者をさせられたラティフ・ヤヒアの実体験を基に製作された作品。
007シリーズのリー・タマホリ監督作品ですが、ベルギー映画です。
ウダイ・フセインのとんでもない蛮行が次々と描かれ、殺人やレイプなどが描写されるので、R18指定。
主演のドミニク・クーパーがウダイとラティフの二役を熱演していて、彼の演技は見応えがあります。
ただ、おっさんはこの人あんまり馴染みが無く、「ドラキュラZERO」の皇帝役ぐらいしか思い出せません。
ストーリーは、ある青年が、容姿が似ているという理由で、「ブラック・プリンス」と恐れられているサダム・フセインの長男の影武者をさせられることになります。本人が嫌がっても家族の命と引き換えとばかり、無理矢理承諾させられます。
影武者となるべく訓練や変装をしますが、ウダイの数々の蛮行を目の当たりにし精神的に追い詰められた青年は、
遂にウダイと対決することを決心する・・・というお話。
アクション・シーンは、さすがリー・タマホリ監督の手慣れた演出で、スカッと観ることができます。
音楽は、クリスチャン・ヘンソン。
確かイギリスの新進気鋭の40代の作曲家だったような気がするのですが、
手掛けた作品はMovie Score Mediaなどのレーベルから、そこそこの確率でメディア化されている人です。
中東が舞台なので、それらしいエスニックな味付けのスコアが登場します。
中東風のストリングスに乾いたトーンのアラビックなパカパカのパーカッション(こういう音好き)や
冷やななタッチのエレクトロチューン、エレキ・ギターなども出てきます。
デジロックやアンビエント寄りのアラビックでスタイリッシュなアクション・スコアです。
透明感と緊張感が同居するスコアで、全体に漂う張り詰めた雰囲気が素晴らしい。
中には、アンビエント・テクノを思わせるシンセチューンもあります。
アクション・シーンのものと思われるスコアでは、
パーカッションの躍動感溢れるリズムが映像を盛り立てます。
この人のスコアは、RC系のジャジャジャジャ感が皆無なのが嬉しい。
本作品は、そんなに明快なテーマメロはありませんが、
重厚なスコアで聴きごたえがあります。
サントラは、Lakeshoreレーベルから70分弱のCDとダウンロード版が発売されています。
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