シンクロナイズドモンスター

COLOSSAL
監督：ナチョ・ビガロンド
音楽：ベアー・マクレアリー
出演：アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン
２０１６年　カナダ映画

すごい邦題のカナダ映画（韓国合作にしてもいいかも）。
一応カテゴリーとしてはコメディなのですが、途中でシリアスで嫌～な展開もあり、
ラストで妙なカタルシスを持ち込もうとしたりで、
お腹を抱えて笑えるような作品ではなかったのが残念な１本。
アメリカの片田舎（人間のドラマ）と、韓国のソウル（怪獣が暴れる）の２か所を舞台に描かれる作品で、
異色といえば異色な映画。
もともとは、東京にゴジラが現れるという設定だったそうですが、
実現せず、中途半端な怪獣が韓国に現れるという形に変更になったそうです。
ゴジラが実現していたら、もう少し変わってたかなあ。
いやゴジラを生かしきれずに終わってたかも　笑。
ストーリーは、酒浸りで恋人に愛想をつかされた女性が、ニューヨークから地元の田舎町に帰ってきます。
地元の街をぶらぶらしていたところ、幼馴染の男に声を掛けられ、その男のバーで働くことになります。
そんな中で、夜な夜な韓国で怪獣が出現しては暴れるというニュースを目にします。
ニュースを観るうち、なんとその怪獣は女性と同じ仕草をすることに気づきます。
どうやら、決まった時間に決まった場所で彼女が動くと、
巨大な怪獣が韓国に現れ、彼女の動きと怪獣の動きがシンクロしていることが分かり・・・・というお話。
アン・ハサウェイが主演・製作総指揮にも携わってますが、配給はアルバトロスフィルムだし、
「アン・ハサウェイのキュートなダメ女っぷり」が観たいという人を除けば、
最初から「怪獣は添え物でドラマ主体のB級作品」であることを承知でご覧になることをおススメします。
そうすれば、本作品を最後まで堪能することができることでしょう。

音楽は、ベア・マクレアリー。
個人的にお気に入りの作曲家ですが、こんな作品も手掛けていたんですね。
最近、あまりメジャーな作品のスコアを担当することが少なく、ちょっと寂しいところです。
新作は「クローバーフィールド・パラドックス」ということですが、Netflix配信ということで
Netflixを鑑賞できない環境にいるおっさんは、いまだに観ることができません。
さて、本作品のスコアですが、明快なモチーフらしいものはほとんどありませんが、
前半はドラマ主体なのでアコースティックでリリカルなドラマスコアが中心です。
中盤あたりから、ロックなテイストなスコアが登場し、
怪獣登場でスペクタクルなオケスコアが入ってきます。
全体的に透明感のあるエレキギターのフレーズがアクセントとなったスコアですが、
ラストのクライマックスでこのギターも交えた「燃え」スコアが用意されています。
B級ファンタジーコメディにこのスコアはなかなかの迫力です。
バックのストリングスは相変わらず今時の「ジャジャジャジャ」ですが、
ヘンリー・ジャックマン＆マシュー・マージェソンあたりを彷彿とさせるヒロイックスコアに仕上がっています。

CDジャケのデザインがおっさん好みで素晴らしく、アメリカで発売されたLPのジャケにもこれを採用すればよかったのにと思います。

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