GOOD KILL

監督:アンドリュー・ニコル

音楽:クリストフ・ベック

主演:イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラヴィッツ、ジェイク・アベル、ジャニュアリー・ジョーンズ、ディラン・ケニン、ピーター・コヨーテ

2014年 アメリカ映画

 

 

「アメリカン・スナイパー」と似たような時期に公開された現代の戦争もの。

これも実話に基づいて製作されているそうです。

「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督の異色作です。

終始淡々と抑えたトーンで展開されるドラマで、

戦争をテーマにした映画なのに派手な爆発シーンは一切なし。

モニター画面越しの爆発シーンはありますが、音がでないので現実感がまるでない。

非現実世界での出来事に見えてしまうから恐ろしい。

ストーリーは、元空軍パイロットで現在はラスベガスの空軍基地でドローンの遠隔操作を担当する少佐が、

画面越しにドローンを使って遙か彼方の中東のテロリストにミサイル攻撃をしかける一方で、

仕事が終われば家族の待つ家庭に帰るという毎日に違和感とストレスを覚え始めます。

戦闘機パイロットにふっきしたいという気持ちとは裏腹に、

どろーんを使ったcCIAのテロ一掃作戦にも参加させられ、

民間人の犠牲も厭わないCIAのやり方に

次第に精神的に追い込まれていく・・・というお話。

イーサン・ホークが淡々とした演技の中に、

葛藤、怒り、哀しみといった感情を見事に表現しています。

CIAエージェントの声が、ピーター・コヨーテだったとは知らなかったなあ。

 

 

音楽は、クリストフ・ベック。

本編同様、淡々としたスコアが全編を占めています。

ポスト・ロック系のギターをフィーチャーしたスコアが空気のように広がります。

「ローン・サバイバー」や「ハート・ロッカー」あたりに近いスコアと言えるかも。

全体的に乾いたトーンが特徴の抑制の効いたスコアです。

パルス風の電子音がバックに流れるスコアもあったり、

ヒーリング・ミュージックとポスト・ロックの中間のようなサウンドです。

時折、そうにゅうされる激しめのオルタナ・ロックとの対比が見事です。

挿入されるロックは、どうやら最近のものが多く、(といっても2010年頃か)

最近のミュージック・シーンに疎いおっさんにはなじみのあるバンドはほとんどなく、

WILCOぐらいしか分かりませんでした。

なお、エンドロールで流れるTHE NATIONALというバンドのAFRAID OF EVERYONEという曲は、

おっさんの好きなオーストラリアのバンドTHE CHURCHに雰囲気が似ていてちょっぴりきになりました。

サントラは、シンプルなジャケがカッコいいスコア盤が発売されています。

 

 

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