THE NOVEMBER MAN
監督:ロジャー・ドナルドソン
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ピアース・ブロスナン、ルーク・ブレイシー、オルガ・キュリレンコ、イライザ・テイラー、カテリーナ・スコーソン、ビル・スミトロヴィッチ、ウィル・パットン
2014年 アメリカ映画
元007のピアース・ブロスナンが元CIAエージェントに扮したスパイ・アクション。
ピアース・ブロスナン版「ネヴァー・セイ・ネヴァー・アゲイン」みたいな感じなのかなあと勝手に想像していたところ、
いい意味で裏切られました。
007とは全然雰囲気の違うハードな仕上がりで、どっちかといえば「ジェイソン・ボーン」シリーズばりのバンバン人が死ぬタイプのアクションです。
ロジャー・ドナルドソン監督が手堅くまとめた1本で、状況説明もセリフの中でトントンとタイミングよく入ってくるので、
観ていて置いてけぼりを食らうこともなく、テンポよくストーリーが展開していきます。
ストーリーは、元CIAエージェントが、モスクワで活動中の元恋人の女性エージェントに危険が迫っているとの知らせを受け、
モスクワに飛びますが、女性エージェントを車に乗せて逃走中に、女性はCIAが放った銃弾に倒れます。
撃ったのはかつての弟子で、元エージェントはCIAへの復讐を誓うとともに女性エージェントが追っていた事件の真相を探ろうとします。
すると、そこにはロシア大統領選挙を揺るがす大きな陰謀が隠されていた・・・・というお話。
原作は読んだことありませんが、ビル・グレンジャーの小説「ノーヴェンバー・マン」が元ネタになっているようです。
オルガ・キュリレンコを始め、東欧美女がいろいろ出てくるので、目の保養にもなります 笑。
音楽は、マルコ・ベルトラミ。
この人、いろんなタイプのスコアを器用に手掛ける才人なのですが、
ちょっと個性が薄いのが難点。
本作品も、魅力的なモチーフはあるのですが、やはり薄味なので印象に残りにくい。
どこかで聴いたことがあるようなメロやリフなので、他の作品とごっちゃになってしまうことがあります。
スコア全体として非常にまとまっていて「燃え度」も高く、聴きごたえある内容なのですが、
どことなく「ジェイソン・ボーン」シリーズのスコアの影響は否めない。
もしかして、それっぽいのを製作側から要求されたか?
スパイ・アクションということで、ラロ・シフリンあたりも好んで使いそうな
弦楽器・・・なんだっけ、ツィバロンだったっけなあ・・・も使われてます。
劇中、オルガ・キュリレンコがサティのピアノ曲を演奏するシーンがありますが、
あれは実際に本人が弾いているようです。
サントラは、米VareseレーベルからCDが発売されていますが、
スコア盤なのでエンド・クレジットで流れるAloe Blaccの"Ticking Bomb"は未収録です。
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