MY HONOR WAS LOYALTY
監督:アレッサンドロ・ペペ    
音楽:アレッサンドロ・ペペ    
出演:レオーネ・フリーザ、パオロ・ヴァッカリーノ、フランチェスコ・ミリョーレ、アルブレヒト・ヴァイマー
2015年 イタリア映画

 


とんでもないマカロニ・コンバットが誕生しました。
数あるカスなイタリア製パチモン戦争映画の中でも、これは最高傑作と言っても過言ではないでしょう。
アレッサンドロ・ペぺ、全然知らない監督ですが、最初は普通のマカロニ・コンバットのノリで
数百万円ぐらいでサクッと映画撮っちゃおうと考えたらしいのですが、
これを聞きつけたヨーロッパの戦車マニア、銃器マニア、軍装マニアなどが
「俺にも参加させろ」とばかり、寄ってたかって作り上げた作品のようです。
その出来栄えたるや、凄まじいもの(笑)で、本物の装備の数々が惜しげもなく登場する怪物映画になってしまいました。
ストーリーもしっかりしていて、主人公の「独白」をバックに入れることで、
「誰のために戦うのか」「人生とは何か」といった「哲学」的な問いを観客に投げかける内容となっています。
カメラワークや映像処理も最近の戦争映画にみられるパターンをしっかり押さえているし、
どこを切っても絵になる戦場の兵士のカットが素晴らしい。
痺れるようなリアルな軍装品にも思わず溜息が出ます(ちょっと言い過ぎか)。
戦車や装甲車も充実していて、キューベルワーゲン、シュビムワーゲン、マーダー自走砲、ヘッツァー駆逐戦車、ハノマーク、T34、改造パンター、M4シャーマン、グレイハウンド等々、本物がゴロゴロ出てきます。
ストーリーは、第二次世界大戦末期、激戦が続く前線を転進しながら国防軍の撤退を側面支援する武装親衛隊の伍長が、「祖国」のために戦う中で、行く先々で「戦争」の愚かさ、「祖国」が犯した罪を目の当たりにし、
「戦う」意味について悩み苦しみます。
しかし、悪化する戦局の中で、自問自答しながらも戦い続けることしか出来ない状況に追い込まれていく・・・というお話。
唯一気になったのは、着弾や血しぶきがCGだったこと。
でも、これを補っても余りある怪物映画でした。
 

 


音楽は、監督のアレッサンドロ・ペペが自ら手掛けています。
この辺から、もともと安く上げちゃおうという魂胆が見え見えですが、
この人ピアノが弾けるらしく、劇中のスコアでも自分で弾いています。
しかも、意外に(失礼)まともなスコアを書いておられます。
ただ、映画のテーマがテーマだけに、ミリタリー調の勧善懲悪型の戦争映画スコアではありません。
映画の冒頭は讃美歌風のコーラスで始まり、バイオリンの悲しげなソロも。これから起こる激戦を暗示します。
監督が演奏するピアノのソロも帰国シーンで活躍していました。
サントラは、どうやら出ていないような気配なのですが、Youtubeを観ると、
ジャケットのようなものがバックに映し出されたスコアを何曲か聴くことができるので、
もしかしたら何らかの形で出ているのかも知れません。
メイン・タイトル曲は、ちょっとハンス・ジマー風ですが、
しっかりとしたオケスコアで監督が自分で手掛けたとは思えないクオリティです。
Youtube等を観る限りでは、全20曲のスコアでMMAスタジオとUnder The Roofスタジオで録音されたようです。
これサントラ欲しいなあ。
ダウンロードでもいいから入手できないものか。

 

 

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