あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年同様、更新が滞ることが多いと思いますが、気長にお待ちいただければ幸いです。

ということで、本年1本目から物騒なタイトルで恐縮です。

 

 

 

THE SALVATION
監督:クリスチャン・レヴリング    
音楽:カスパー・ウィンディング    
出演:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン、エリック・カントナ、ミカエル・パーシュブラント、ダグラス・ヘンシュオール、マイケル・レイモンド=ジェームズ、ナナ・オーランド・ファブリシャス、ジョナサン・プライス    
2015年 デンマーク/イギリス/南アフリカ映画

 

 

「007/カジノ・ロワイヤル」の悪役にしてデンマークを代表する名優マッツ・ミケルセンが主演するデンマーク産ウェスタンノワールの逸品。
最初はキワモノかと思っていましたが、マカロニ・ウエスタンをお手本にした、なかなかの力作に仕上がっていました。
乾いたトーンの黄土色っぽい映像も、殺伐とした雰囲気が出ていました。
ストーリーは、デンマークからアメリカに移住し数年間暮らした男が、仕事が軌道に乗ってきたことからデンマークから妻子を呼び寄せます。しかし、駅馬車に乗り合わせた刑務所帰りの悪党2人組に、駅馬車から突き落とされ、妻子は馬車の中で殺されてしまいます。男は駅馬車を追い、2人を撃ち殺しますが、この2人のうち1人が街を牛耳る悪党の親玉の弟だったことから、男は一味から命を狙われることになる・・・・というお話。
頼れる者がほとんどいない異国の地で、悪党一味に戦いを挑む孤独な男という設定が、ノワールしてるなあ。
マカロニでもありがちな単純なストーリーなのですが、案外飽きさせません。
共演に、これまた「007/カジノ・ロワイヤル」に出ていたエヴァ・グリーンが口のきけない悪党(弟の方)の奥さん役出ています。
劇中殺される人々は、無慈悲にいきなり脳天をズドンとやられるので、結構ショッキングです。
このあたりは、マカロニ・ウェスタンの顕著な影響か 笑。

 

 


音楽は、カスパー・ウィンディング。
デンマークの作曲家で、ドラムやキーボードなどを演奏するほか、デンマーク産のバンドのプロデュースなども手掛けるようです。
サントラの仕事も70年代後半からしているようで、今年で60歳になるそうです。
スコアのイメージとしては、コテコテのウェスタンスコアではなく、マカロニの影響がある孤独感満点のアコースティックスコアという趣です。
基本的に乾いた映像を反映したモノトーンで静かなトラックが多く、スコアの方もノワールな雰囲気が満点です。
男の復讐劇がテーマなので、ストリングスをバックに口数の少ないドスの効いたアコギが淡々と語りかける、といった激シブなスコアが中心です。
ギターのフレーズにどことなくフラメンコの影響を感じさせます。
アクションシーンにパーカッションが入ったスコアも使われますが、リズム感を出すためだけに使われている感じで、
あくまで音の方も乾いて「燃え」ません。
アコギがカッコいい激シブスコアなのですが、サントラは残念ながらダウンロードしかないようです。

 

 

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