カーニー

CARNY
監督：ロバート・ケイラー
音楽：ロビー・ロバートソン、アレックス・ノース
主演：ロビー・ロバートソン、ジョディ・フォスター、ゲイリー・ビジー
１９８０年　アメリカ映画

ザ・バンドのロビー・ロバートソンが企画、制作、脚本、音楽、主演までやっちゃったドラマ。
「ラスト・ワルツ」の制作で気をよくしたのか、
ロバートソンが映画の世界にシフトしてた時期の作品。
日本では劇場公開されたのかなあ。未公開だったような気がしますが・・・・。
本編よりもサントラの方が注目された１本。
僕も本編はいまだに観たことがありません。
海外ではＶＨＳが出てたと思いますが、日本ではビデオにもなっていないのではないでしょうか。
ストーリーは、ロバートソンの若い頃の体験談がもとになっているとかで、
アメリカ各地のカーニバル会場を転々とする見世物小屋で働く若者たちの姿を描いているとか。
ヒロインには、若き日のジョディ・フォスターが起用されています。

音楽は、ロビー・ロバートソンと巨匠アレックス・ノース。
サントラ盤では、ロバートソンのサイドとアレックス・ノースのサイドに分かれています。
共作したわけではなさそうです。
ロビー・ロバートソンのサイドは、ブルージーなインスト・ロックを中心に構成されていて、
普通の映画音楽の作曲家ではなかなか出せない深い味わいがあります。
これ、ジャズやブルースのテイストが効いてて、すごくカッコいい。
中学２年の時に初めてこのサントラを聴いた時は、ＬＰのＡ面だったロビー・ロバートソンのサイドは
なんだか訳わかんなくて好きではありませんでしたが、やはり今聴くと「芋の煮っ転がし」効果で、
渋くてカッコいい。
サントラということで、ほとんどがインストというのもポイント高し。
もちろん、ロバートソン本人のギターもしっかり堪能することができます。
ドクター・ジョン、ランドール・ブランブレット、スティーヴ・シェーファーなどが参加してます。
アレックス・ノースのサイドは、見世物小屋を舞台としているということもあって、
遊園地のメリー・ゴーランドで流れていそうなスコアやコミカルなフレーズを随所に織り込みながら、
巨匠にしては、結構砕けた内容になっています。
こんな感じのスコアも書けたんだ。なんとなく「シャレード’７８」あたりを彷彿とさせます。
アルバムのラストを飾るテーマ曲は、なんかとっ散らかったような印象の落ち着きのない前半から流麗なスコアに移行する複雑な構成の曲ですが、
こういう展開の曲をよく思いつくなあと感心。
この度、めでたくＣＤ化されました。

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