死霊のえじき

・・・今日は過去記事をリメイクしてます^_^

DAY OF THE DEAD
監督：ジョージ・Ａ・ロメロ　
音楽：ジョン・ハリソン
出演：ロリ・カーディル、テリー・アレクサンダー、ジョセフ・ピラトー、リチャード・リバティー、アントン・ディレオ
１９８５年　アメリカ映画

ジョージ・Ａ・ロメロ監督のゾンビ３部作の最終作。
（実はその後も「Land of the dead」等々と続くのですが・・・。）
「Night」、「Dawn」ときて「Day」に至るわけですが、３作目ともなるとゾンビも街中にあふれ、もはや収拾がつかなくなっています。
巨大シェルターのような地下施設の中で、一握りの科学者と軍人がいがみ合いながら生活を続けています。
両者の小競り合いが続く中で、傷つき絶望した兵士がゲートが開けてしまい、ついに施設内にゾンビがなだれ込みます。
クライマックスに待ち受ける壮絶な大殺戮シーンは、最終版と銘打ったビデオ版では大幅カットを余儀なくされるほど、凄惨を極め、ものすごいインパクトがあります。
特殊メイクは、この世界では巨匠の一人トム・サビーニが担当。
彼の手がけた作品の中でも、その造形は群を抜いてリアルです。
ただ本作品以降、彼が監督業や俳優業に力を入れてしまって、特殊メイクを手がけなくなってしまったのは残念です。
現在は本作品のメイクで頭角を現した弟子のグレッグ・ニコテロが頑張ってます。（「ウォーキング・デッド」シリーズなど）
そういえば、本作の劇中出てきた、電気の配線がつなげられた首だけのゾンビって、グレッグ・ニコテロ本人がモデルでした（ジョンソン二等兵）。
本作はホラーというよりは、むしろ近未来ＳＦっぽいテイストがありました。

音楽は、ジョン・ハリソン。
元々は作曲家ではないようですが、ロメロ作品をいくつか手がけており、他に「クリープショー」などを担当しています。
素人にしては明快なメロディを書く人です。
シンセを使った多重録音で作られた音楽は、一連のジョン・カーペンター作品にも似ています。
テーマ曲は、やはりマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」の流れを汲む定番ホラー・サウンドになっています。
ＣＤはマイナーレーベルから限定盤が発売され、
ＣＤ化にあたって、ボーナス・トラックとして未発表曲やエフェクトが５トラック追加収録されていました。
聞きものはやはり、１曲めの２０分にわたる「組曲」。
本編で使用されたトラックを再録音？・編集して長尺の１曲にしたものです。
単体のテーマ曲にあたる５曲目の「Dead Walk」はビートがきつくて安っぽいディスコのようで、ちょっとカッコ悪い。（本編でも使用されなかったし）
「組曲」のイントロに本編のオープニングに流れるトラックが入っていますので、こっちの方が断然いい。本編で未使用の歌ものも１曲入っていました。
そして、その後、さらに米La-La-Landレーベルから２枚組サントラが発売されました。
しかも１枚目＋半分は、オリジナル音源が収録されていて、
ＬＰ&限定盤CD時代には組曲でつながった状態で我慢して聴いていたスコアの数々が、独立した楽曲として楽しめます。
オープニング・タイトルなどは後半部分が組曲と若干アレンジが違っています。
さらにCD２枚目の後半にはＬＰ音源のおまけつき。
前述の限定盤ＣＤがあまり質の良くないものだっただけに、このリリースはとてもうれしかったなあ。
ジョン・ハリソン、音遣いにしてもとても素人とは思えない。

空間処理というか、奥行のある音像が素晴らしい。
ヒーリング・ミュージックに使えそうな音色がバンバン使われています。
ゾンビ映画のくせに。
CD聴いてたら妻が「これ綺麗な曲だね～」だって。

ゾンビ映画のサントラなのに(￣O￣;)
la-la-land盤は限定3000枚ながら、まだ入手可能のようです。