COMMANDOS
監督: アルマンド・クリスピーノ
音楽: マリオ・ナシンベーネ
出演: リー・ヴァン・クリーフ、ジャック・ケリー、ジャンピエロ・アルベルティーニ、ピエル・パオロ・カポーニ、マリノ・マッセ、デュリオ・デル・プレト、マリル・トロ
1968年 西ドイツ/イタリア/フランス映画



平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・





マカロニ・コンバットと言えば、基本的にカスなのですが、その中にあって意外な拾いモノなのがコレ。
案外ストーリーはしっかりしているし、後半の戦闘シーンも充実してるし、ラストまで寝ずに観ることができます。
ストーリーは、イタリア軍に変装したアメリカの特殊部隊が、
アフリカ戦線でイタリア軍補給部隊の陣地を襲い、まんまとイタリア軍になりすまします。
そして、連合軍本隊の到着を待ちますが、途中で作戦は中止、
孤立した彼らはドイツ軍と壮絶な戦闘を繰り広げ、
最後にはお互い1人ずつの戦闘員を残して全滅してしまう・・・・というお話。
「炎のいけにえ」のアルマンド・クリスピーノが監督して、脚本にはなんとダリオ・アルジェントの名前が・・・。
さらにエンド・クレジットの最後の方では、メナハム・ゴーランの名前まで出来ます。
主演もリー・ヴァン・クリーフということで申し分なし。
いつものピースメーカーをバズーカ砲に持ち替えて、ドッカンドッカンやっちゃってます。
マカロニ・コンバットにしては戦車が大量に出てくるところなんかも、ミリタリー・ファンとしてはポイント高し。
ただ、マカロニ・コンバットは滅多に戦車が出てこないせいか、
今ひとつ戦車の走行シーンが整然としていないのが気になりました。
陣地の中でそれぞれが勝手な方向にガラガラ走ってるだけというシーンがあったりして・・・・。
共演のジャック・ケリーは、もともとハリウッドの俳優さんで、TVシリーズ「マーベリック」に出てました。
なお、日本で発売されているDVDは、嬉しいイタリア語バージョン。
500円で買えるところもいいですね~。



音楽は、イタリア映画界の巨匠、マリオ・ナシンベーネ。
この人は、「剣と十字架」、「バイキング」といった往年のハリウッド製作の史劇や、
「恐竜100万年」、「原始人100万年」等のハマー・プロの恐竜もののスコアを手がけたことで知られる人です。
全体的に、フルオケの重厚な作品が多い印象がありますが、
本作もその延長線上にあるスコアを聴くことができます。
メイン・タイトル曲も、かなり重い雰囲気のスコアで、
グレゴリオ聖歌の「怒りの日」(ベルリオーズの「幻想交響曲」にも出てくる)をモチーフにあしらっています。
この「怒りの日」のメロディは、アメリカ製戦争映画「ならず者部隊」(1956年)でも使われてました。
サントラ盤は、LPしか発売されいないようです。
しかも、1962年の未公開映画「La storia di San Michele」とのカップリング仕様になったものなので、
本作からは3曲しか収録されていませんでした。
その後はCD化された形跡もありません。
戦争映画とはいえ、重厚で重苦しい雰囲気のスコアなので、
マーチ等の高揚感、爽快感を求める人には全く不向きな作品といえます。
でも、CD出たら買うだろうなあ。





・・・と、ここまでが過去記事。
そして、遂に今年の9月にQuartetレーベルから本作品を含むサントラCDがたった300枚限定で発売されました。本作品からは、LPと同じ3曲だけで、その他は、放浪の剣豪 (1962)、DONNE SENZA PARADISO (1962)、I LANCIERI NERI (1962)といった全然知らない作品や本邦未公開の作品がカップリングされています。
以前にも書いたとおり、たった3曲しか入ってないのにやっぱり思わずポチって買ってしまいましたとさ。


・・・さらに追記です。
なんと、本作品と放浪の剣豪がカップリングになった収録時間24分のダウンロード版も発売日されていました。