エニグマ

今夜は、過去記事に追記しています。

ENIGMA
監督：マイケル・アプテッド
音楽：ジョン・バリー
出演：ダグレイ・スコット、ケイト・ウィンスレット、サフロン・バロウズ、ジェレミー・ノーサム、ニコライ・コスター＝ワルドー、トム・ホランダー、マシュー・マクファディン
２００１年　イギリス／ドイツ映画

ロバート・ハリスのベストセラー小説「暗号機エニグマへの挑戦」を００７シリーズの監督でお馴染みマイケル・アプテッドが映画化したスリラー。
第二次世界大戦で連合軍を悩ませたドイツ軍が誇る高性能暗号装置「エニグマ」の解読のため、イギリスの暗号解読チームが活躍するというお話。
ストーリーは、解読チームの中心人物である若き天才数学者が主人公なのですが、同じ暗号解読センターで働く恋人にふられて、神経衰弱に陥ってしまいます。
しばらく自宅療養をさせられていたところ、せっかく解読した暗号コードが変更されたというので呼び戻され、再び暗号との戦いを強いられます。
一方、解読した暗号が間もなく変更されたということで、センター内にはスパイがいると踏んだ諜報部は秘かに捜査を開始する・・・・・というお話。
「エニグマ」は実際にドイツ軍が使っていた難解な暗号化装置で、この暗号解読機をイギリス軍が解読したことで、
連合軍の勝利に多大な貢献をしたと言われています。
戦争を背景にした作品ですが、戦闘シーンらしいものは、ラストの潜水艦を急襲する急降下爆撃機のシーンぐらいで、派手な戦闘シーンはありません。
ケイト・ウィンスレットが出ていますが、なんだかポッチャリした普通のお姉さん役で、
牛乳瓶の底のようなメガネをかけていて、とても「タイタニック」のヒロインには見えません。
この人、基本的に豊満な体型なのですが、本人は太ることを全然気にしていないご様子。
どこかのインタビューで、「美味しく食べて健康なのが一番、ダイエットなんてナンセンス」なんて言い放っておられました。
女優なのにここまでスカッと割り切って言われると、かえって気持ちいい。

音楽は、イギリスの巨匠ジョン・バリー。
戦争を背景としたスリラーなので、ミリタリー調のスコアを期待してはいけません。
スパイものやサスペンスものという前提で聴けば、ジョン・バリーの登板は大正解。
テーマは、いつものダークなタッチのバリー節が全開のゆったりとした曲。
久々にジェームズ・ボンドのスコアを聴いたような錯覚を覚えて懐かしさが込み上げます。
この人の書くスコアは、ほんと重厚かつロマンティックなワン・アンド・オンリーな世界で素晴らしい。
ちょっとワンパターン気味なところもありますが、これがこの人の個性だと思えば気になりません。
全体を通して、ダークなタッチで爽快感はありませんが、英国の作曲家らしい気品あるスコアに大満足です。
あの独特の、寄せては返すゆったりとした「波」のようなストリングスがたまりません。
演奏は、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。
なんだか聞き慣れない楽団ですが、実はこの楽団、サントラの仕事をやるのはこの作品が初めてだったとか。
もともとクラシックのオーケストラだそうで、
クラシックの世界では、結構名の知れた名門オーケストラだそうです。
ロックオヤジの僕には、さっぱり分かりませんでしたが、
そう言われて聴くと、バリーのスコアもいつも以上に格調高く聞こえてきます。