LIPSTICK
監督: ラモント・ジョンソン
音楽: ミッシェル・ポルナレフ
出演: マーゴ・ヘミングウェイ、クリス・サランドン、アン・バンクロフト、ペリー・キング、マリエル・ヘミングウェイ、ロビン・ガンメル、ジョン・ベネット・ペリー
1976年 アメリカ映画





「ワン・オン・ワン」のラモント・ジョンソン監督が、文豪ヘミングウェイの孫娘2人を起用して撮った衝撃のドラマ。
マーゴ・ヘミングウェイ演じるヒロインの売れっ子モデルが、音楽教師の男クリス・サランドンに暴行されてしまいます。
ヒロインは、この憎い男を告訴に踏み切りますが、法廷は彼女にとって辛く屈辱的なものだっただけでなく、
なんと審理は男に有利に運んでいきます。
そして、男は今度はヒロインの14歳になる妹まで毒牙にかけてしまいます。
これにブチ切れたヒロインは、役立たずな法に失望し、遂に自ら男に裁きを下すことに・・・・・というお話です。
主演のマーゴ・ヘミングウェイは、本作以降は作品に恵まれず、遂に1996年に鎮静剤の大量摂取で亡くなりました。
70年代にはモデルとして大活躍していたのですが、最後までヘミングウェイの孫娘というレッテルがつきまとっていたのが、ちょっとかわいそうでした。
妹の方は、今でもTVムービーを中心に活躍しています。
音楽教師役のクリス・サランドンがキモイ男を見事に演じており、マジで薄気味悪い。
社会派映画としての側面もある作品ですが、ラストにはヒロインを救済する強烈なカタルシスが待っています。








音楽は、70年代フランスの人気歌手、ミシェル・ポルナレフ。
この人は、フランス映画「大乱戦」等のスコアも書いていますが、
70年代中期にフランスを飛び出して、渡米して初の仕事がこの「リップスティック」だったように記憶しています。
ヘミングウェイの孫が主演する映画ということに加えて、フランスの人気歌手が手がけたサントラということで当時話題を呼んだらしいです。
でも、本作のテーマ曲は一応ちょっとはヒットしたのですが、他のスコアが組曲風の長尺な曲だったのが災いしてか、
彼のソロ・アルバム的作品を期待したファンはきっとガッカリしたのではないかと思います。
LP1枚に全4曲というプログレのような曲構成になっていて、そのためアルバムとしてはあまりヒットしなかったようです。
テーマ曲は、モロに当時のディスコ・チューンでノリノリです。
クラビノーバの音や「ハッスル」みたいなストリングスが時代を感じさせます。
劇中、変態音楽教師が自作の曲としてヒロインに無理矢理聴かせるヘンテコな曲や追っかけられるシーンで流れる劇伴が
シンセたっぷりの難解プログレのような趣で興味深い。
ポップシンガーなのに、こんな曲書くんだとちょっと意外でした。
サントラは、当時の日本での彼の人気にあやかって、
日本盤ジャケには映画と全然カンケイないポルナレフの全身写真を使っています。
CDは、オーストラリアで発売された形跡があるのですが、詳細は不明です。
なお、ポルナレフは90年代以降はずっと沈黙を守っていたのですが、
なんと2007年に突如としてツアーを組んで、コンサートなどを大々的にやってます。




・・・と、ここまでが過去記事。

ダウンロード版はいまだ発売されていないようです。







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