DEATH RACE 2000
監督: ポール・バーテル
音楽: ポール・チハラ
出演: デヴィッド・キャラダイン、シモーネ・グリフェス、ハリエット・メディン、シルヴェスター・スタローン、ルイザ・モリッツ、メアリー・ウォロノフ、ドン・スティール
1975年 アメリカ映画
今夜も過去記事に追記しています・・・。
B級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作した不謹慎カー・アクションの逸品。
めちゃくちゃなカー・レースのルールとキテレツな車のデザインや衣装に加えて、
無名時代のスタローンが出ていたことも手伝って、いまではカルト・ムービーとして知られる存在です。
ストーリーは・・・・21世紀のアメリカは独裁国家に変貌していて、国民の不満解消のために年に1回「死のレース」が開催されます。
このレースは、レース中に何人の人を轢き殺すかでポイントが加算されるというとんでもないルールが設定されています。
このレースの勝者は国民的英雄として讃えられるということで、5人のレーサーが出場します。
デヴィッド・キャラダインは黒ずくめに黒いマスクを被った前年のチャンピオン「フランケンシュタイン」を演じます。
他の出場者も、マフィア、ナチス、カウガール、古代ローマ帝国風といった風貌で、ちんどん屋みたいです。
車もみんなチキチキマシーンみたいな変な形のものばかり。
この車で疾走しながら、道行く人々を轢き殺しながら、ゴールを目指します。
しかし、ひどい話だよなあ。
成人よりも年寄り、子供を轢いた方がポイントが高いとか、とんでもない発想です。
ロジャー・コーマン、こいつやっぱりヤバい。
当然、いろんな人が轢かれていきます。
道路工事のおっさん、レーサーたちの命を狙うレジスタンス、病院の医師や看護婦、魚釣りのおっさん等々、
跳ねとばされたり、頭がつぶれたり、串刺しにされたり、股が裂けたり、
そのバックにはコミカルな音楽や「ぴゅ~ん」なんてマンガみたいな擬音が挿入されるという
人間の尊厳などまるで無視した不謹慎極まりないアクションムービーです。
さすがに、ジェイソン・ステイサム主演のリメイク「デス・レース」では
これをそのままリメイクする訳にはいかなかったのでしょう。
マッド・マックス風味のすっかりまともな作品になっています。
音楽は、ポール・チハラ。
この人は90年代まではほとんどサントラが発売されたことがなく、
80年代でサントラが発売されたものは「プリンス・オブ・ザ・シティ」ぐらいでしょうか。
本作も、当然サントラなどは発売されず、スコアも少人数によるバンド編成の演奏に終始しています。
シンセを使ったスコアも、シンセ1台でポニョポニョやっているだけだったり、
安っぽいプログレみたいなスコアがあったり、
若干、ストリングスがバックにからむスコアがありますが、これも2~3本の弦楽器をバックに
適当に演奏しているだけ。
クライマックスのレースシーンでは、エフェクターがほとんどかかっていない、へなちょこギターのカッティングがへぼいジャズ・ロックチューンが流れます。
これじゃあ、サントラの発売は無理だろうと思いますが、
かつてベイジル・ポールドゥリスが担当した「チェリー2000」という映画のサントラが発売されたとき、
「デスレース2000」が発売されたと勘違いして思わず買おうとしたことがあります(^^;)
・・・と、ここまでが過去記事。
そして、今年になって、再録音ではありますが本作品のサントラが遂にリリースされました。
「クラッカーズ/警報システムを破壊せよ!」と「ウーマン・イン・ニューヨーク」のサントラとカップリングになった盤で、米buysoundtraxレーベルからのリリースです。本作品からは7曲が収録されていますが、オリジナルにそこそこ近い雰囲気が出ているように思います。限定500枚なのでもうCDは完売かもしれませんが、ダウンロード版も出ていますので、興味のある方はどうぞ。