やはり、ロメロ監督の追悼ということではこれも紹介せねば・・・。

ということで今夜は過去記事をいじってます。

 

 

DAWN OF THE DEAD
監督:ジョージ・A・ロメロ
音楽:ゴブリン
主演: デヴィッド・エムゲ、ケン・フォリー、スコット・H・ライニガー、ゲイラン・ロス、トム・サヴィーニ
1978年 アメリカ/イタリア映画

 

 

ジョージ・A・ロメロ監督による本家ゾンビ映画の第2作目にして大傑作。
原因も分からずひたすら増殖を続けるゾンビの群れの中を、SWAT隊員らがゾンビのいない場所を求めて脱出を図ります。

郊外の巨大なショッピングモールに逃げ込みますが、そこも100%安全ではなく、暴走族の一団に狙われ、暴走族とともにゾンビも乱入してきて大変なことになってしまいます。

ゾンビが人肉を食らうシーン等のゴアシーンがクローズアップされがちな作品ですが、
いろんなメッセージが込められた第一級の社会派映画と見ることが出来ます。

ゆっくりと、しかし確実に近づいてくるゾンビの恐怖感や、世紀末の行き場のない終末感などが上手く表現されています。

ロメロ監督、1968年の「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」に始まり、2009年の「サバイバル・オブ・ザ・デッド」まで6作を監督しています。

本作は、後にザック・スナイダー監督によって「ドーン・オブ・ザ・デッド」としてリメイクされていますが、こちらではゾンビが疾走するので、
ゲーム感覚のスリルはありますが、いわゆる彷徨型ゾンビの魅力は半減しています。
(なお、リメイク版には、オリジナルのデヴィッド・エムゲ、ケン・フォリー、トム・サビーニがカメオ出演してます。そういう意味では必見かも)
そういえば、ルチオ・フルチの「サンゲリア2」では香港映画顔負けのカンフー・ゾンビが出てました(笑)

なお、特殊メイクの天才トム・サビーニの手によるゴアシーンは、続く「死霊のえじき」でさらにエスカレートして、公開当時は本当に人を殺しているのではないかと疑われたそうです。

4作目の「ランド・オブ・ザ・デッド」は、特殊メイクをトム・サビーニの弟子だったグレッグ・ニコテロ(今では彼もビッグネーム)が担当していて、師匠直系のゴア描写がなかなかでした。

また、1作目から一貫して黒人が活躍したり生き延びたりする映画で、ラストでピンチを切り抜けるのはいつも黒人という、アメリカの人種差別に対するメッセージを汲み取ることも出来ます。

この映画、いろんなバージョンが存在する作品で、長尺の140分版からダリオ・アルジェントが監修した119分のイタリア版まで存在します。
ちなみに日本公開されたのは、イタリア版をさらに短く編集したもので、音楽はイタリア版のものを使用しています。

 

 

 

 

 

音楽はイタリアン・ホラーで定評のあるゴブリン。
本作はイタリア公開版をダリオ・アルジェントが監修しており、この関係でゴブリンが起用されたのかな?

従って、アメリカのオリジナル版には「メイン・タイトル」を中心に一部のみが使用されていて、
僕の大好きなプログレッシブな名曲「ゾンビのテーマ」は、オリジナル版では流れず、イタリア版及び日本公開版で聴く事が出来ます。

例の黒人SWAT隊員が、ラストで俄然元気を出してゾンビを殴り倒して脱出するシーンに使われてました。
(アメリカ版のこのシーンでは軍隊の進軍ラッパのような音楽が使用されていました。)

この曲のインパクトのすごさはゴブリンの諸作の中でもピカイチです。
イントロからキメのフレーズの応酬で、さすがプログレ・バンドと感心してしまいます。

メンバーのアゴスチーノ・マランゴロによる演奏だと思いますが、キメ及びラストのパーカッションのアタックがものすごく、子供心にそのカッコ良さに魅了されました。

サントラはゴブリン名義の10曲入りのものが発売されていましたが、
後に伊CINEVOXレーベルから 17曲入りのエクスパンデッド盤が発売されました。

但し、ボーナストラックはあまり面白味が無く、お得感はあまりありません。あくまで出がらしという感じです。

なお、アメリカ版ではゴブリンの音楽の他に既成曲をいくつか使っていましたが、これを集めたコンピレーション盤CDも後にアメリカで発売されました。

この中では、ショッピングモールのシーンやラストで流れる例の脳天気でチープなあの曲も入っています。

(しかし、このジャケ、どうにかならんかな)

イタリアの長尺盤は、同内容のものが日本のRambling Recordsからサウンドトラック傑作選50の中の一枚として発売されたので、比較的入手しやすいと思います。

 

 

 

 

 

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