Steamboy/スチームボーイ
監督:大友克洋
音楽:スティーヴ・ジャブロンスキー
声の出演: 鈴木杏、小西真奈美、中村嘉葎雄、津嘉山正種
2003年 日本映画

 

 

蒸気機関の登場で繁栄する19世紀のイギリスを舞台に、スチームボールという大発明を巡って少年が繰り広げる冒険を描くアニメです。

 

 

もともと和製アニメの音楽ってあんまり好きになれないのですが、これは意外な拾いモノだったので・・・。
「AKIRA」の大友克洋監督による16年ぶりの長編アニメだそうです。製作に9年と24億円がかかっているとか。

 

さすがにそれを伺わせる力作に仕上がっています。

 

子供にせがまれて借りたDVDを家族で観て、音楽のすばらしさに思わず目からウロコでした。
こんな音楽を書く日本人がいたのかと、すぐさま音楽担当者のクレジットを確認したのでした。
この作品はノーマークでした。MVのスティーヴ・ジャブロンスキーが音楽やってたんですね。
日系人なので大友アニメの仕事を引き受けたのでしょうか。

 

MV関係者にしてはオケの比重が高く、とても聞き応えのあるスコアになっています。
なによりメイン・テーマのシンプルでいながら高揚感のあるメロディが素晴らしい。

他の曲も印象的なメロディが多く、最近のMV関係の仕事の中ではかなり屈指の出来では。
メイン・テーマだけでも、十分「燃え」ます。
アニメの音楽にしてはすごく贅沢なオーケストラサウンドになっています。(アニメファンの方ごめんなさい)

ジョン・パウエルやハリー・グレッグソン・ウィリアムスに次ぐ才人と見ました。
さらに、アマチュアドラマーの僕としては、パーカッションの比重が大きいのも好感が持てました。

なお、ライナーは音楽監督・百瀬慶一氏(『リターナー』など)が映画音楽への思い入れたっぷりに解説をしており、サントラファンは必読ものです。