その瞬間、教室にいた20人くらいの生徒が凍りつきました。
あなた、名前は?
ジョン・ステイン・なんとかかんとか。
ジョン、あなた今、何て言った?
あ、僕のこと、ジョンって言わないで。ジョン・ステインだから。
キー!教室内の空気がますます重くなり、静まりかえりました。
その時、一人の赤毛の青年が、自分はアイスランド人
だと名乗り、アイスランド人の名前と名字の構成のされ方が
他の国とは違うこと、なぜジョンだけじゃだめなのかを
カティアに説明し、なんとかその場を納めてくれました。
グッジョブ、赤毛くん

そして私は、なんと自分が少年の名前を知らなかったことに
初めて気がつきました。
2週間近く毎日一緒にいましたが、名前を呼ぶという機会がなく、
というか必要がなかったというか・・・・名前を知ろうと思わなかった。
では、授業を続けます。まず曲をかけますから聴いてください。
ステューピーーーーッド!どうして詩の意味を話し合う必要があるの?
スティングの詩は、話合いをするためにあるんじゃないんだ!
そんなバカなことしたって意味がないよ!
出て行きなさい!私の授業の単位はひとつもあげないから!少年はノートや辞書をカバンにしまい、出て行ってしまいました。
残された私は、心の中でずっと「戻ってきてカティアに謝って!」と
繰り返していました。
終了のチャイムが鳴る5分前、少年が戻って来ました。
そして、カティアの前に進み出て謝りました。
その時初めて、いつも青白い少年の顔が赤くなっていました。
その後どうしたのか、よく覚えていません。
でも、翌日から少年は学校から消えました。
他の生徒に聞いても、誰ひとりとして彼がどうなったのかを知りませんでした。
私は、自分が夢でも見ていたか、慣れない異国の地で
頭がおかしくなったかのかと心配になったりしました。
ところが、しばらく経ったある日、例の赤毛のアイスランドの青年に
教室でばったり会いました。
少年のことを聞いたら、「あの後すぐアイスランドに戻ったよ。
学校が始まるからね」と言っていました。
しかし、さよならも言わないで帰っちゃうなんて・・・。
少年、お姉さんも、せつないわー
(byミポリン・・古すぎ・・・)