明けましておめでとうございます。



皆様は年末・年始どのように過ごされましたか?


私は大掃除やら年始のご挨拶やらでバタバタして
ゆっくりできたような,出来なかったような。。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ウンカ・ヨコバイ類,チョウバエ

(写真は大掃除の時に,電灯カバー内で採取した虫達の亡骸。)




さて,大みそから元日にかけて各地で大雪になり交通網が乱れました。


私は,元日の夕方に神戸市北区の実家に車で行ったのですが
日が暮れてからの雪で,帰ろうとする頃には3cmほど雪が積もっている状態。


坂道も多いし,スタッドレスでない車なので,とても動かせる状態ではありません。
あきらめて電車でかえりました。

途中,タイヤを滑らしながら進む車のハンドルにしがみついて悲壮な顔になって
運転している人を見ましたが,あの人は無事に目的地に着いたのでしょうか。



さて,皆様は春夏秋冬の語源は知っていますか?
諸説あるみたいですが,今日はその一つを紹介しましょう。



・・・草木が芽吹く「張る」から生じた。

・・・難渋するという意味の「なづみ」と関連があると言われている。
    害虫が発生して難渋するなどの状態から生じたかもしれない。

・・・秋晴れで空が天高くなって開いた状態のアクがアキに転じた。

・・・もともと「増ゆ」の意,すなわち「増ゆ籠り」から生じた。
    「増ゆ籠り」とは種子が穀物として何倍にも増えるまで
    お籠りするという状態のこと。


(知識ゼロからの神道入門,武光誠,幻冬舎より)



夏に害虫で困るのは,今も昔も変わりがないようです。


人類と害虫のあくなき闘い。

昨年は,非常に暑く害虫の家屋内の侵入が例年より多かったように思います。
今年はどんな戦いがまっているのでしょう。


年を越し「新春」とはいいますが,これからが寒さの本番。

害虫との本格的な戦いは,もうしばらく先のようです。



株式会社エスケーシステム では
  快適な住環境を作り出すお手伝いをしています。



 クリスマスも終わり,2010年も後少し。

大掃除や年越し準備に忙しくなってきましたね。私も,昨日,ホームセンターに大掃除道具を買いにいってきました。明日から徐々に掃除をして,一年の汚れを取り除き,綺麗な状態で年神様をお迎えしたいと思います。


さて,2010年は,国連が定める国際生物多様性年でしたが

「生物多様性」とはいったい何でしょう?



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-多様な生き物



生物多様性は,1980年代の後半に,bio(生物)と diversity(多様性)を
合わせて作られた造語です。


生物多様性は大きく4つにわけられています。


1.種の多様性
  (多種の生物が共存することでうまれる多様性)
2.遺伝的多様性
  (同じ種でも棲んでいる地域により環境が変わり遺伝子にも違いが生じている)
3.分布の多様性
  (ある地域に棲む同じ種の個体は,さらにいくつかの局所集団に分かれて生活を

   している。その局所集団で時々個体や遺伝子が交換されることで種が維持さ

   れている。)  
4.景観の多様性
   (例えば里山は,水田・ため池・川・雑木林など隣り合う生態系が関係しあって
    一つの大きな生態系を形成している。これを景観という。)



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-多様な生物をはぐくむ自然


わかりやすいのは1番でしょう。多くの種類の生物がいることです。

多種多様な生物がいる方が多様性が高いのです。



3番と4番は,ちょっと難しいですね。今回はそんなものもあるのだと

触れるぐらいにしておいてください。



 さて,間違えた捉え方で1番を実行すると,2番を脅かす結果になります。


例えば,神戸周辺で昔から生息していたホタルを東京に放す。
そうすると確かに東京は生き物の数・種類は増えます。
でも,神戸のホタルと東京のホタルが交雑していくと
もともと東京で長く生息していたホタルの遺伝子が神戸のものと混じってしまいます。
そうすると,それぞれの地域の環境に適したその土地固有の遺伝子が失われていくことになります。


これは,地域に合わせて変わってきたホタルの遺伝子の多様性を失い
その生物が歩んできた進化の歴史を失うことにつながります。


ちなみに,自然状態の遺伝子組成をい乱すことを「遺伝子汚染」といいます。


実は,この遺伝子汚染が引き起こされかねない行為が,今年もありました。


COP10が開催されていた時期,ツキノワグマの人里への出没が話題にいましたね。原因として,「クマのエサであるドングリ類の不作」が第一に挙げられていました。(他にも様々な要因がありますが)


だったら,山にドングリを持っていけばいいと,ある保護団体が
山にドングリをばらまいていました。


生態学的な見地から言えば,この行為は非常に危険です。
万が一,持って行ったドングリが芽をだせば・・・。
また,ドングリ内には虫も隠れています。万が一,その虫が繁殖したら・・・。


この行為は,種を守ろうとして遺伝子汚染を広げ
最終的には,種の多様性を破壊してしまうことにつながってしまうのです。


熊に対するドングリ散布行為で考えられる影響を総括した文章を読みたい方は
以下のURLにアクセスしてみて下さい。
(わかりやすく書かれています。)
http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/shuppan/kenpou/51/51-57-62.pdf


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-海と山は繋がっている


「生物多様性を守る」ことは,世界の共通認識です。立場の違いがあり
一筋縄ではいきませんが,生物多様性を守ることを否定する人はいないでしょう。


われわれPCOの世界でも,「生物多様性を守る」という意識を持つことは大切です。


仕事がら生き物を殺すことが多く,その分,生物多様性に影響を与えることがあり得ます。


特に,駆除用薬剤が環境中に流出してしまえばその影響は広範囲にわたります。


ゴキブリを駆除するために散布した薬剤が河川に流入し
他の昆虫が大量に死んでしまうことが起こるかもしれません。


大量に流出した場合,汚染された昆虫を食べた爬虫類や哺乳類に影響が及ぶかもしれません。その結果,地域固有の種を絶滅においやってしまうかもしれません。



目に見えない薬剤はどこでどのような影響が出るのかわからない,という認識のもとでPCOは薬剤を扱うべきなのです



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-複雑な繋がりをもっている生物


だからこそ,防除・駆除では,発生原因の除去や侵入経路の遮断などをおこない,薬剤散布はできるだけ控えるようにしないといけません。


また一方では,アルゼンチンアリやアライグマなど新たに他地域から入ってきた
侵入種を駆除し拡大を防ぐこともPCOはできます。


PCOは,皆様が快適に暮らせる環境を創造するお手伝いをしながら
環境を守ることができる,そういうやりがいのある仕事なのです。



来年も頑張りたいと思います。




よいお年を・・・。


株式会社エスケーシステム では,出来るだけ薬剤の使用量を減らし

 環境を守りながら,みなさまの住環境を守るお手伝いをしています。






先日,下のような記事を読みました。


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タイム誌の「今年の10大動物ストーリー」,
中国のパンダ中毒死がランクイン―中国メディア
Record China 12月12日(日)21時21分配信


2010年12月11日,米タイム誌が選んだ
「今年の10大アニマルストーリー」に
中国・山東省済南市の動物園でパンダの泉泉(チュエンチュエン)が
ガス中毒死した事件がランクインした。新華網が伝えた。


タイム誌が選んだ「今年の10大アニマルストーリー」は以下の通り。

1,メキシコ湾で発生した原油流出事故で多くの鳥や魚が油まみれになる
  という被害に


2,米国全土でトコジラミ(ナンキンムシ)が大発生


3,米フロリダ州の水族館でシャチが観客の目の前で飼育員を殺す


4,W杯南アフリカ大会でタコのパウル君がドイツ代表の試合結果をすべて的中


5,アジア産コイが米5大湖に迫る,侵入すれば生態系や漁業に深刻な被害


6,米で遺伝子組み換え食品第1号として,サケの販売を承認へ


7,オーストラリアのタスマニアデビル,絶滅の危機に追いやった原因を解明


8,英国で子猫を道端のゴミ箱に捨てた中年女性にネット上で非難ごうごう


9,スペインで牛に角でのどを貫かれた闘牛士がわずか3カ月後に現場に復帰


10,済南市の動物園でジャイアントパンダの「泉泉(チュエンチュエン)」が急死
  死因は動物園に隣接する防空壕で炊かれた消毒用のガスが飼育舎内に

  流れ込み,それを吸い込んだことによる中毒だった。


(翻訳・編集/NN)


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動物関係なんでほのぼのしたニュースをイメージしていたのですが
ほとんどが殺伐としたニュースでした。なんとも言えない気分になりますね。


私としては,2番にトコジラミがランクインしていることに注目です。
それだけアメリカでは問題が大きくなっているということ。


日本でも,先日,朝の某情報番組で「トコジラミ」取り上げられたようです
徐々に,日本でも注目されているのでしょう。

数年後の日本で,10大アニマルストーリーを選んだときに
トコジラミがランクインしないことを願います。




 さて,先日,「トコジラミが家にいるようだ」という
問い合わせを頂いたので御宅まで調査にお伺いしました。

お伺いしてみると,咬まれてはいないのだけれど
脱皮殻を見つけてしまったから不安になった
,とのこと。


で,その脱皮殻を見せてもらいました。

それが,下の画像です。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ヒメマルカツオブシムシの幼虫の脱皮殻


これ,トコジラミの脱皮殻ではありません。

「ヒメマルカツオブシムシの幼虫」の脱皮殻です。




【ヒメマルカツオブシムシ   Anthrenus verbasci (LINNE) 】


成虫は体長4.5~5.5mmで紡錘形。体色は黒く光沢がある。
幼虫は赤褐色で円筒状,全体が赤褐色の短毛でおおわれる。
幼虫で越冬し,翌春の4~5月頃に蛹化,約1~2週間で成虫が羽化する。
成虫の寿命は1ヶ月内外で,1個体で40~90個の卵を繊維などの間に産む。
孵化した幼虫は繊維を摂食し,脱皮を繰り返し成長する。




ちなみにトコジラミの脱皮殻は↓のようなものです。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミの脱皮殻

明らかに見た目が違います。


ヒメマルカツオブシムシは衣類の害虫として有名ですが,
他にも,昆虫などの乾燥標本や乾魚(煮干など)の害虫としても知られています。


ちなみに依頼主さんが脱皮殻を見つけたのも,箪笥の中。
探したところ,しばらく使用されなかったジャケットに穴があいていました。



皆さんも,しばらく箪笥の中で眠っていた衣類に穴が開いていた

という経験ありませんか?犯人はヒメマルカツオブシムシである可能性があります。


気付かないうちに衣類の繊維を食べている。だからあまり動いている所をみることがないかもしれません。


で,せっかくですから今日は動いている姿も見ておきましょう。



下の動画は過去に採取して撮影した幼虫です。
(採取した袋の中で動いています)






大掃除をしている人が多い時期。
あなたの箪笥の中にも,ヒメマルカツオブシムシの脱皮殻があるかもしれません。

トコジラミの脱皮殻と間違わないように注意してください。




株式会社エスケーシステム ではトコジラミ以外の害虫でも対応いたします。






 最近の新聞記事(朝日新聞)で, 


「蚊が人や動物を刺す際に使う注射針のような口が,
獲物の熱を感知するアンテナとしての役割もはたしていることがわかった」


という記事を読みました



蚊は触角やひげでにおいや二酸化炭素を,口で温度を感知し獲物を探しているようです。この発見,新しい駆除方法につながる可能性もあるとのこと。
より安全性が高く,効果の高い薬剤を期待したいですね。



 さて,蚊と同じ人の血を吸うトコジラミ(南京虫)の口はどのようになっているのでしょうか。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ(南京虫)成虫(♂)


上の記事を見て興味がわいたので,サンプルとして残しているトコジラミを使って
写真を撮ってみました。


まずは,頭部の拡大写真です。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ(南京虫)頭部


ちょっと見にくいですが,針のようなものが付いているのがわかります。
これが口(口吻)です。ちなみに,左右にある黒いものが複眼です。
触角は折れてしまいました。




このままだと解りにくいので,口吻を前に突き出して写真を撮ってみました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ(南京虫)の口吻


細長い,ストローみたいなものが見えますね。これが口吻です。
末端は尖っています。よく見ると,ちゃんと管になっているのがわかります。



トコジラミは吸血対象を,体温や二酸化炭素などを探知して見つけます。
吸血時には,前脚で皮膚をつかみ口吻を刺します。
その時に,血液が固まるのを防ぐ成分が含まれる唾液を注入します。
吸血時間は,5分から10分程度と言われています。
(最近の実験で,長いものになると20分以上も吸血したという報告がありました。)


吸血後は,すばやく潜伏場所に帰りつくようです。そして,潜伏場所の入り口辺りで
糞(血糞)をすることがあります
。だから,血糞跡が潜伏場所を探すのに有効なのです。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ(南京虫)の糞




蚊は,羽音で居ることがわかることもありますが
トコジラミは音もなく近づいてきて,いつの間にか血を吸っています。

ほんとに腹立たしい。


そんなことを考えながら頭部の写真を見ていたら
トコジラミの顔が「拗ねて小憎たらしい奴」に見えてきました。
皆さんはどうですか?




株式会社エスケーシステム では,トコジラミの駆除も行っています。






 最近,「トコジラミ 」での検索・問い合わせも多いのですが,「ネズミ」での検索・問い合わせも多いです。逆に「ゴキブリ」は減りました。(チャバネゴキブリでの問い合わせはあります)



そりゃ,これだけ寒くなれば,ゴキブリ(クロゴキブリ)の活動は衰えてくるでしょうし,逆にネズミの侵入は増えていくでしょう



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-捕獲されたクマネズミ



さて,ネズミでのお問い合わせの時に


「置くだけでネズミがいなくなる機械の効果は?」


といった内容のご相談を受けることがあります。



おそらく,電磁波や超音波を使ったネズミ対策のことでしょう



皆さんも,ホームセンターなどで目にしたことがありませんか?
ただ設置するだけで,薬剤もいらず,ネズミの姿もみず,手間いらず。

そんな便利な機械です。



でも,「電磁波」タイプのものはまったく効果がありません。


実際に,過去に売られていた電磁波をつかった商品が
「実用的な駆除効果は認められない」として公正取引委員会から
排除命令を受けたことがあります

電磁波タイプのものには手を出さない方が無難です。



では,ネズミが仲間同士の交信で使う超音波を使ったタイプではどうでしょうか。


こちらは,かなり良い結果を出す場合とダメな場合があります。



この装置は,使い続けると慣れが生じてきます

ですから周波数帯を変えてやらなくてはいけません。

でも,かなり大きな音(120デシベル以上)でないと効果が薄いと言われています。この周波数の音だと,かなり不快に感じます。

また,陰となる場所や壁などに当たって反射したものは効果が薄くなってしまいます



つまり,よほど条件が整った場所や状況でないと効果がでないのです。

成功事例としては,スーパーなどで「封鎖できないようなネズミ侵入路に照射する」といった使い方があります。



超音波タイプのものは一般の家庭や飲食店では,かなり使い勝手は悪いし
思ったほど効果が出ないのが現実です。




機械の特性を考えるなら,駆除というより,
新たなネズミの侵入を防止するといった目的の方がいいのかもしれません。




結局,ネズミの駆除は
捕獲・物理的封鎖・毒餌・環境整備 などを上手く組み合わせるしかないのです。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-厨房内に敷き詰められたトラップ




株式会社エスケーシステム ではネズミの駆除・防除を行っています。
 また,危険個所の指摘などのアドバイスも行っています。