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カタツムリ左巻き存在の謎解明 天敵ヘビが進化手助け
河北新報 12月9日(木)6時12分配信
もともと殻が右巻きだったカタツムリで左巻きに進化した種が
存在するのは,カタツムリを餌とするヘビが手助けしたとみられる
ことが,東北大大学院生命科学研究科の細将貴研究員(進化生物学)
らのグループの研究で分かった。カタツムリの体は殻の巻き方が
異なると,交尾しにくい構造。通常,突然変異の左巻きが子孫を残せる
可能性は低いが,天敵の被害に遭いにくいという利点が交尾の難点を
補う形で進化につながったという。
カタツムリは数多くの種が存在するが,左巻きは少ない。
右巻きを保ったまま多様化してきたと考えられ,少数派の左巻きの進化は
謎だった。細研究員らは2007年,カタツムリを食べるセダカヘビの
口の構造と捕食行動を調査。セダカヘビは右側に多くの歯を持ち,左巻き
よりも右巻きのカタツムリの方を効率よく殻から中身を引き出して食べて
いることを突き止めた。
調査結果に基づき,左巻きのカタツムリはセダカヘビに襲われても生き
残る可能性が高く進化が促されたと予測。ほぼすべての種のカタツムリの
分布と大きさを調べ,左巻きの属の割合を検証した。
セダカヘビが生息する東南アジアなどでは,殻が2センチを超える57属
のうち約20%が左巻きだった。
一方,セダカヘビが生息しない北米などでは,殻が2センチ以上の
141属のうち左巻きは約1%にとどまり,仮説が裏付けられた。
日本周辺でも沖縄県の石垣島や西表島,台湾など,左巻きが多い地域と
セダカヘビの生息域はほぼ一致。系統を解析したところ,
右巻きから何度も分化して進化していることも判明した。
細研究員は「天敵の存在が種を分化させるという,生き物の進化を考える
上で興味深い結果となった。
セダカヘビがいなくても左巻きが確認された地域もある。
今後,セダカヘビが生息した時期と左巻きの分布も調べる必要がある」
と話している。
研究成果は8日,英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズの
電子版で発表した。
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生物というものは,同じ種であったとしても生息地域の環境に合わせて,
長い時間をかけてその形態や行動に変化が現れます。
進化というものは,偉大な力ですね。
現在,昆虫は全動物種の70%以上を占めています。
昆虫は陸上に進出した動物で一番繁栄しているのです。
さて,昆虫はいつごろ地球上に現れたのでしょうか。
地球誕生が約46億年前。
海の誕生が約40億年前。
そして,最初の生物が海の中で誕生するのが,約38億年前。
この時は,まだ単細胞の生物です。そこから長い間,単細胞生物のままです。
多細胞生物が誕生するのが約6億年前。
そして,約5億4000万年前の古生代カンブリア紀になると
様々なタイプの生物が海中に現れます。(カンブリア大爆発)
この時点では,まだ陸上に生物はいません。
その後,光を求めて浅い海から河川へ植物が進出し,約4億3500年前に陸上植物が誕生しました。
おそらく最初に上陸を果たした動物は昆虫で,約4億年前の地層から節足動物の化石が見つかっています。
この昆虫は,今のカゲロウに近い仲間で,すでに翅がありました。
つまりそれ以前には昆虫が出現していたことになります。
おそらく,動物としてはまず昆虫が,餌を求めて植物を追うように陸上へ進出していったと考えられています。
初期の頃の昆虫は,翅を持たず変態もしないトビムシのようなものであったと考えられています。その後,様々な環境に適応した昆虫が誕生し繁栄していきました。
なぜ,これだけの繁栄が出来たのでしょう?
昆虫は外骨格ですので,大きな体を持つことができません。
しかしこれが昆虫繁栄の理由の一つです。
体が小さいということは,わずかな空間があれば生息できます。
また,体が小さいことで,1個体に必要な餌の量は少なくて済みます。
大きな体の動物が生息できないような環境でも昆虫なら生活できます。
おかげで昆虫は大繁栄することができているのです。
でも,この小さいということが,害虫の防除・駆除の難しさにもつながっています。
小さいことでわずかな隙間から侵入でき,狭い空間で生息し,少ない餌でも多くの個体が生きていける。
(厚みのないトコジラミの体)
見方を変えると,防除・駆除は,進化の力というものを相手にしているとも捉えられますね。
※株式会社エスケーシステム
ではトコジラミ(南京虫)
やゴキブリ
などの
害虫の防除・駆除を行っています。