【短】 とらいあんぐる56 | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7




side:daniel

少しずつ…
そう少しずつあの日から離れてしまった距離が埋まっていく。

あれだけ頑なだったシウォンの心を溶かしたのは
今、向こうでこちらを心配そうに見守っている
キュヒョンくんの存在なんだと肌で感じた。

そんなキュヒョンくんの顔色が優れないのは
さっきから気がついてはいるんだが…

今、このままシウォンに伝えないと…
このタイミングを逃すわけには行かない。

俺はキュヒョンを意識しながらも話しを続けた。


「あの事件が決め手だったんだ。」
俺がそういうとシウォンは片眉をあげ不思議そうな顔をした。

「この前のパーティーのあの出来事だよ。」

『あぁ…あのVIPの…』

「そうだ。あれで一気に形勢が変わり、すべてが加速したんだ。」

『どういう意味?』

「あの場にお前とキュヒョンくんが居合わせたという偶然が
今日につながったんだ。」

『何かの役に立ったって事?』

「そうだ。あの時、まだしっかりとした資本力にかけていて
コンシェルジュドクターの設立の決定打に欠けていたんだ。
この計画が頓挫するかもしれないと誰もが思い始めてたんだ。」

『……』

「でもあの時、華やかなパーティーの席でVIPが倒れた。
そこに医者と看護師が居合わせたおかげて、
迅速な対応と適切な処置が行われ、
本来だったら助からなかった命が救われた。」

『……』

「VIPの家族は元より、関係者たちも露頭に迷わずに済んだ。
彼の生活はなんら問題なく進んでる。」

『へぇ~』

「あれこそ俺とユジンの目指したことのすべてだった。
そして何よりも、あの場に居合わせたこの国の経済に
少なからず影響力のある面々がそれを目の当たりにしたろ。」

『いや、俺とキュヒョンはやるべきことをやっただけで…』

「そうだ。その当たり前なことが彼らには重要かつ必要なものだったんだ。」

『ふ~ん…』

「あの後、助かったVIPが寄付を申し出てくれたんだ。
そして基金まで設立するといって…
そこから物事が一気に進んだ。
他の企業や名だたる名士と呼ばれる重鎮たちが
こぞって寄付と契約を申し出てきた。」

『そんなに?』

「あぁ。期が熟した。
で、やっと今日、それが形となって歩きだしたんだ。」

『ふ~ん…』

「お前達がいなかったらなくなってた話だ。」

『へぇ~』
たいして感心が無い様な雰囲気を醸し出すシウォンが愛おしい。

あぁ。

本当に変わらない。

俺は熱くなる目頭を指で押さえながら空を見上げた。



side:kyuhyun

ヒョンたちが…
ヒョンとダニエルさんが話をしている。
それもとても穏やかそうに…

「ばっかじゃない…」

誰にいうでもなく言葉がこぼれた。

ここまで来るのいどんだけかかってるんだよ。
自然と口角が上がり、クツクツと笑いが込み上げてくる。

「何笑ってるんだよ~」
頭をスコンと叩かれて振り返るとヒョクがニカッと笑いかけてきた。
いつの間にかみんながそばに寄ってきていた。

「なぁ。この後食事会だって言ってただろ?」
ヒチョル先生がめんどくささ全開で俺の肩に手を回してきたから

「えぇ。そうですね。」
と俺はその手をやんわりとどかしながら答えみんなに頭を下げた。

「なんかよくわかんないけど…あのふたりうまく言ったんだろ?
あれ。」
トゥギ先生が俺の頭をワシャワシャと撫でた。

「だといいんだけど…どうなんでしょうね。」
俺はだれにいうでもなくうなずいた。

本当に手の係る人たちだよ…
でも俺の心が少し軽くなったのは確かだ。


「もうそろそろいかないと…」
イェソン先生が声をかけた。

時間を見ると食事会の時間までもういくらもなかった。

「どうする?あいつら。」
「あぁ…」
「ほっとけ!あいつらはあいつらでやればいいさ。
ほっとけほっとけ!!」
ヒチョル先生が腕を振り振り三人に背を向け
病院の方へ向かって歩き出した。

「あっ!レラ~待ってよぉ~」
それにドンヘ先生が続いてみんなが歩きだした。

「おい!先いってるぞ~」
そういって俺の肩をポンポンと叩いたヒョクに
軽く手を挙げわかったと合図した。

「ギュギュ~時間厳守~」
リョウクも俺のお腹をポンポンと叩いてみんなと一緒に歩き出した。


今までの騒ぎが嘘のように穏やかな空気が2人を包むのを感じて
俺は気が緩んだらしい。
足に力が入らなくなって、膝から崩れ堕ち座り込んだ。
そしてそのまま大の字になって両手足を広げて
芝生の上に寝転んだ。

…空。きれいだなぁ~
風、気持ちいいなぁ~




「寝てるのか?」
『ん…かな?』
「どうする?」
『いや…連れて行かないわけには…』
「かわいい顔で寝てるな…」
『でしょ?かわいいんですよ。あんまり見ないで。
穴が開くと困るから。あっ、俺は別ですけど。』
「お前…恥ずかしげなくよく言うよな。」
『え?だって本当のことだし…』

…ヒョン?
…ダニエルさん?

『俺の天使なんで。』
「天使?」
『天使。』
額の前髪をかき上げられる感触がした。

…ちょ、ちょっとやめてよ。ヒョン…何してんの?

どうやらうとうとしてしまったようで
気が付いたはいいものの
目の開け時をいしてしまって…
そのまま寝たふりを決め込んだ。

「お前…ほどほどにしないと」
『ほどほど?何が?』
「あんまり入れ込み過ぎると、ほら、そのいろいろと…」
『キュヒョンがすべてだから。』
「ふーん。プレイボーイで名を馳せたあのチェ・シウォンがね~」

…ん?なんだって?プレイボーイで名を馳せた?
なんだよそれ…

『いつの話、してるんですか。って、なんでしってるんだ?』
「おや?否定するか?そう何年も前ではないだろ。
だからずっと見てたから…」
『いや、まぁ…確かに…って、それじゃストーカーでしょ。』


…はぁ?

『俺、もてたから。』

…なんだよそれ。否定しろよ否定。

「まぁ、せいぜいフラれないように…」
『なんだそれ。』
「いや、別に…ちょっと気になっただけで。」
『俺のだからな。』
「あぁ。知ってる。だからって未来永劫そうだとは限らないだろ?」
『え?』
「だってほら。すぐ目の前にいい男がいるし…」
『はぁ?どこに?誰の事?』
「キュヒョンくんは俺の事、きらいじゃないっていてるし。」
『……』
「うちに来るって行ってたし。」
『なっ…』
「キュヒョンくんならいつでも大歓迎でベットも共有するし…」
『ベット?共有??』
「あぁ。安心しろ。お前に傷つけられた心を癒してやるから。」
『ちょ、俺がいつ傷つけたっていうんだ?』
「ははは。まぁ、せいぜい頑張って…健闘を祈るよ。」
『寝言は沢山ですよ。ほんとーにダメですからね。』
「いや。俺とキュヒョンくんの出会いの方がお前より早い。」
『はぁ?それ言う。それ言うか。それ。』
ヒョンの声に被ってダニエルさんの笑い声がきこえる。

…ダニエルさん。構い過ぎだろ。それ。
さすがにちょっとまずいかなぁと思って
ヒョンとダニエルさんが何やら口論?をしている…

薄眼を開けて様子を伺追うとと、思ったら二人の顔が度アップで目の前にあった。
2人で俺の顔を覗き込んでいたらしい。

「うわっ!な、何!!」
誰が見てもいい男な二人に見つめられてた俺は慌てて身を起こした。

「な。」
『ね。』
「なにっ!」

2人が俺の手をつかみ体を軽々と引き上げられた。

「おはよう。本当だ起きてたな。」

『あれだけ眼球が動いてたら。素人でもわかる。
しかも俺がかわいいって言ったらほらこうやって
ここがこうなってにやけてるのバレバレだった。』
ヒョンが俺の目じりにを指でツンと押した。

「え?眼球…?笑った?ちょっ…ちがっ…
そ、そんなことしてないしなってない!」
俺はヒョンのその手を払いながら二人を軽くにらんだ。

恥ずかしさで耳が熱くなる。

『ね。かわいいでしょ。俺のキュヒョン。』
ヒョンはそういうと俺をギュッと抱きしめ頬にキスをした。

「ちょっ、ヒョ、ヒョン!なにを…離せよ。離せってば!!
人がいるだ…ろって、ヒョン!!いい加減にして!!」
俺は腕を突っ張って離れようとしたががっちりと
腰までホールドされて無駄だった。

それどころか事もあろうか、ダニエルさんが大きく手を広げて
今度は俺たち二人を包みこんだ。

「なんだよ。すっかり2人して…ばっかじゃない!
離せ…って…ば。くる…しいだ…もぉ~なんだよ!!」

無駄な抵抗だとわかって俺は諦めた。

「もぉ~!!!勘弁してよぉ~!!!」

そう叫んだ俺の声は空に吸い込まれるように消えて行った。






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雰囲気で。
雰囲気で読んでいただけたら…