【短】 とらいあんぐる55 | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7


side:kyuhyun

「ギュギュ…大丈夫?」

「え?」

「大丈夫かって聞いてるの。」

「何が?」
リョウクが大丈夫かと聞いてくるが何のことがわからなかった。

「何がって…ほんと大丈夫?これだよこれ。」
リョウクが俺の頬を人差し指でスッと撫で俺の目の前にその指を立てた。

「あ…」
リョウクの指が濡れていた。
それは俺が流した涙だった。

俺は知らず知らのうちに涙を流していた。
それが心からの&の涙だったんだけど…

俺は慌てて顔を擦り涙をぬぐった。

「べ、別に…何でもない。」

「何でもない?よく言うよ。
あれって…なんなの?よっぽど大事なことなんでしょ?
ギュギュさぁ、グローブの入ったかばんずっと大事そうに
抱えてたじゃない…これの為だったんでしょ?」

「あっ…えっと…」

「まぁ、いいけどさ。で、その涙…
哀しい涙じゃないよね?いい涙だよね?」
普段のリョウクの追及は実に厳しいけど
今日はなんだか優しい感じで…

「あぁ。うん。そうだよ。悪い感じじゃない。」
取り合えずそう答えた。

「ふ~ん…人を巻き込んどいてその答え…
ほんっとに二人とも…あぁ~僕もジョンウンさんと
二人っきりでいーっぱい一緒にいたいなぁ~
謹慎処分にでもなって!」 
そうリョウクが大きな声で言うと
みんなの方に向かって走って行った。

俺は苦笑いをしながらその背中を目で追った。

そしてだんだんと距離を広げながらキャッチボールを続ける
ヒョンとダニエルさんを目を細めて見守った。






side:ryeowook

「リョウク!なんなんだあいつらは。」
「なぁ、リョウク。キュヒョン泣いてたか?もしかして」
「リョウク!いったいどうなってるんだよ!」
「なぁ、泣いてたのか?」
「おい、リョウク!どうしたってきいてんだよ!」
「そうだよリョウク。早く教えてよ。」
「リョウク!!」
「なぁ、リョウク…」
「おい、聞いてるのかリョウク?!」

「う、うるさーい!!」
分けもわからず三人についてきたみんなが
一斉に僕に話しかけてきたので思わず怒鳴っちゃったよ。

「僕だって全然意味わかんないよ!
なんであんなことしてるのかなんて!」
僕がそういうとみんながびっくりした顔をした。

「どうしてだよ~ずっと一緒にいたじゃないか。
なのになんでわかんないんだよ!」

「そうだ。俺達なんてもっとわかんないぞ。」

「だって、わかんないんだからわかんないんだもん。
なんか3人の中ではとっても大切なことみたいなんだけど…
とにかくキュヒョンが先生の事怒って、ダニエルさんのとこ
泊まるって言い出して…」

「はぁ?泊まる?」
「え?うっそ?」
「はぁ?」
「泊まるってどこにだよ!」

「だからぁ~、キュヒョンがダニエルさんのところに泊まるって
そんなこと言い出すから今度はシウォンさんのスイッチはいっちゃって…」

「あぁ~…あれか…」
ヒチョル先生が両手の人差し指を立て、
その指をくっつけたり離したりしながら
ニヤリと笑うから頬が熱くなっちゃったじゃない。

「もぉ~先生えげつないぃ~」
僕は手で顔を仰ぎながらヒチョル先生をにらんだ。

「なんだよ。ほんとの事だろ?で、どうなったんだ?」
ヒチョル先生はふざけながらも心配してるみたいで…

「え~…結局二人ともキュヒョンに頭が上がらないっていうか…
なんだろ…キュヒョンには逆らえないっていうか…」

「あぁ…あいつはそういうヤツだな…
俺達だって結局逆らえないだろ?あいつに。」

「そうだよなぁ。俺たちだってダメなんだから
シウォンなんてもっとだめだ。
パワーバランスはキュヒョン方が断然上だ。」

「そりゃそうだよ!あのユジン姉ちゃんと同じ血が流れてるんだから。
だから言ってるじゃん。いつも。誰もかなわないって!」
ヒョクがそう言って十字を切ってアーメンと空を仰いだ。

その言葉に誰もが納得し、みなうんうんとうなずいた。

「結局ギュギュがあのとらいあんぐるの頂点に立ってるんだよねぇ~」

僕はそういいながら目を細めて見つめた。


「なぁ。この後食事会だって言ってただろ?」
「あぁ。そうだったな。」
「もうそろそろいかないと…」
「どうする?あいつら。」
「あぁ…」
「ほっとけ!あいつらはあいつらでやればいいさ。
ほっとけほっとけ!!」
ヒチョル先生が腕を振り振り三人に背を向け
病院の方へ向かって歩き出した。

「あっ!レラ~待ってよぉ~」
それにドンヘ先生が続いてみんなが歩きだした。

「おーい!先いってるぞ~」
そういってギュにヒョクが声をかけると
キュヒョンが軽く手を挙げわかったと合図した。

「ギュギュ~時間厳守~」
僕もそうギュに声をかけて手を振ってみた。

手を振りかえすキュヒョンが青いそれに溶け込むように見えて
ちょっと感動的で、僕はちょっとおセンチな気分になっちゃった。

「リョウク…」
優しい声がしてポンポンと優しく頭を撫でられた。

「…ジョンウンさん。」
「良かったな。」
「うん。」
おセンチになった僕が笑うとジョンウンさんが
頬に優しくキスをしてくれて、くすぐったくて首をすくめた。

「ねぇ、ジョンウンさん。もう大丈夫だよね?
ギュギュ、もう泣かないよね。」

僕がジョンウンさんそう聞くと、
ジョンウンさんが優しく笑ってくれた。

僕の心がスッと軽くなってうれしさが込み上げてきた。





side:daniel

『どうして…僻地医療じゃないくてコンシェルジュなのか…
俺にはそれがどうしても理解できない。』
シウォンがそう言って俺を見つめた。

そうだ。
いつもシウォンは正しい答えを求めた。
それは今も変わらないのがちょっとうれしかった。

「あぁ。それか…そうだな。う~ん…
それはもう…お前たちが立派にやってるじゃないか。」

『え?』

「お前がその言葉を覚えてくれていたってことがうれしいよ。」

『別に…そういうわけじゃ…ただあんなに強く訴えていたのに…
今更金持ち相手だなんて…俺には…』

「理解できない?」

「えぇ。はっきり言ってがっかりした。」

シウォンは腰かけたベンチの背に寄りかかりそのまま空を仰いだ。
目を閉じ何かを考えてるようだった。
そうシウォンはいつも正しい。

「いや。急に方向転換したわけじゃない。
お前に…シウォン。お前に出会って変わったんだ。」

『……』

姿勢を戻したシウォンが俺を見つめた。

「お前の孤独さにいたたまれなかった。」
また怒られるんだろうな…
そう思いながらシウォンの頭をわしゃわしゃと撫でた。

『なんだよそれ…』

「どんなに具合が悪くてもお前は一人で耐えてたろ?
親に…いや、家名が傷つくようなことはできないって。」

『そんなこと…言ったけ…?』

「あぁ。はっきりと覚えてる。
ガキの癖に何いきがってんだって俺が拳固したの覚えてるか?」

『あぁ。具合が悪いって言ってる子どもにはあれはひどいだろ。』

「ははは。今思えばそうだ。でもあの時俺は胸が張り裂けそうで
苦しかった。こいつはいったいどれだけの糧をしょってるんだって。」

『別に…そんなこと…』
シウォンが口ごもり俯く。

「お前と同じような境遇の子供たちを救ってやりたい。
そう思って走ってきたらこうなった。」
俺は肩をすくめウォンクをした。
シウォンはそのまま黙りこんでしまった。

「それに、僻地医療はもう立派に確立されてるじゃないか。
カンイン先生はじめ、お前が立派に務めてきたじゃないか。」

『何を知ってる?』

「何をって…全部?」

『全部?』

「あぁ…ずっと見てきた。」

『…知ってる。』

「ことごとく無視されたけどな。」

俺はシウォンを忘れたわけじゃない。
人生の節目節目にはお祝いの花も送った。
お祝いのメッセージも送った。

医大に入ったと知った時は本当にうれしかった。
心からの賛辞をメッセージとして届けた。

ただ。
それをシウォンが拒否した。
それらがシウォンに届くことがないまま時間だけが過ぎて行った。

彼の気高さと意思の強さは敬意を表するに値する。

俺は見守るしかなかった。

俺たちは何も変わってはいない。
何もブレてはいない。
ただ接点を持てずにいただけだった。

「やっと…やっとだな…」
だれにいうでもなく口からこぼれた。

『何?』

「いや、なんでもない。」

『ふ~ん…』

シウォンが口角を上げニヤリと笑った。