【短】 とらいあんぐる53 | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


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俺たちはキュヒョンに手をつかまれて引っ張りだされた。

『あ…えっとキュヒョン…』
俺たち引っ張られるがままについていったが
訳が分からず思わず声をかけた。

が、ジロりとひと睨みされ無視された。

俺とダニエルは顔を見合わせ肩を竦め首をかしげた。

「あっ、待って。僕も乗る!」

エレベータに乗り込んだ俺たちの後に
リョウクがキュヒョンのリュックを抱えて飛び込んできた。

エレベーターのドアが静かにしまった。


途中のフロアで何度か止まったが、
ドアが開き乗り込もうとした誰もがそこに乗り合わせた
面々のただならぬ雰囲気に戸惑い、
誰も乗ってはこなかった。

それは懸命な判断だな。

今ここで何か言葉を発したらキュヒョンの視線に
射ぬかれて絶命してしまう…そんな感じだった。

「ねぇ、ぎゅぎゅ。どこ行くの?」
勇気あるリョウクがキュヒョンに声を掛けた。

が、キュヒョンはそれを完璧に無視した。
キュヒョンの背中がより一層俺たちを拒否る。

「ねぇ、ぎゅぎゅってば、どこ…むぐむぐ…なに…ぐぐぐ…」
俺がリョウクの口を慌てて手で塞ぎ、
キュヒョンの腕を掴もうとした差し出した手をダニエルが抑え込んだ。

『シー…黙って。』
「だーめ。」

俺とダニエル小声で同時にリョウクを止めた。

狭い空間での出来事。
気が付いてないわけがないがキュヒョンはそれらを完璧に無視した。





「上着脱いで。」
『「え?」』
声が小さくて聞こえず問い返した。

「上着脱いで。」
今度は聞こえた。

『ここで?でもほらここではちょっと…みんなもいるし…』
俺は片眉を上げてこちらに向かってくる慌てた連中を指さした。

「ん…それにいきなり3人ってのは…」
ダニエルがこの場の雰囲気を何とかしようと思ってくれたのだろうが、
キュヒョンにひと睨みされてそれ以上続けるのをやめた。

「リョウク。それ。」

俺たちが脱いだ上着を受け取ったキュヒョンが
それをリョウクに手渡しながら家から持ってきたリュックを手に取った。

みんながキュヒョンの動きを目で追った。

キュヒョンはしゃがみこみ、リュックの中から何かを取りだした。

「え?グローブ?」
リョウクがびっくりして声を上げた。

『キュヒョン。それ、もしかして…』
それはどう見ても俺の書斎のでデスクの中にあるはずの物だった。

キュヒョン俺の言葉を無視してそのグローブを
俺とダニエルに差し出した。

「え?グローブ?……あ…これは…」
ダニエルがしばらくそれを見つめ、それからグローブにそっと手を伸ばした。

『キュヒョン。何やってるんだ。』
俺はそのグローブがダニエルに渡るのを阻止しようとして
思わず手を出したが、反対にもう一つのグローブを差し出され
思わずそれを受け取ってしまった。

「ダニエルさん。それが何かわかりますよね?」
手元のグローブを見つめるダニエルにキュヒョンがそう問うた。

「あぁ…わかるよ。もちろんわかる…。」
そういいながら手にそれをはめ、パンパンとならし感触を確かめていた。

『ダニエル。返してくれ。』

「まだ持ってたのか?」

『…いいから返してくれ。』

「キュヒョンくん。これをどこから…」

「ヒョンの書斎から…書斎のデスクの引き出しからです。」
キュヒョンの言葉にダニエルはびっくりした顔をした。

「まだ持ってたのか…どうしてまた…」
ダニエルが俺の事をジッと見つめる。

『別に。どうでもいいものだから…処分するのを忘れてただけだ。
用がないだろうから…いいから返してくれ。』
俺はダニエルのグローブを取り上げようと手を伸ばした。

「ヒョン。人のものを取り上げようなんて子供より始末悪いよ。」

…じゃぁ、人の物を勝手に持ち出すのはどうなんだ?
そう言いたかったが俺はそのまま押し黙った。

「さぁ。思う存分…始めて。」
キュヒョンがそう言いながら俺とダニエルの腕を押し突き放した。

『やりたければお前がやれ。俺は帰る。』
そう言って手にしたグローブをキュヒョンの胸にボスンとあて
突き返した。いくらキュヒョンでもこの件に口出す権利は…
俺は今まで固めていた何かが剥がれ落ちるのが怖くて
多分冷静に判断できなくなってるんだと思う。

が、今さら何が変わるというのだ。
今回の業務命令だから仕方なく受け入れた件だけでも
多大なる譲歩をしたつもりだった。

なのに…なんなんだこれは。

もういい。
この足でユジンのところへ行って
やはり無理だと言って外してもらおう。

それがダメなら…
ダメな時は…
俺とキュヒョンはどうなるんだ。

が、今はそれよりもこの状況を…

「ヒョン。逃げるの?」
抑揚のないキュヒョンの言葉が俺の背中に突き刺さる。

『逃げる?何を言ってるんだ。だいたいこれはなんなんだ。
キュヒョン。お前にいったい何の権利があって…』
思わず口から言ってはいけない言葉が…

「先生!」
側で成り行きを見守っていたリョウクがびっくりして声を上げた。

「権利…ふ~ん…権利ね…それ言う。」
しまったと思った時は遅くキュヒョンが口角を上げ
皮肉に満ちた目で俺を見つめた。

『あ、いや、それは言葉の文で…』

「そうやっていつまでも逃げてればいい。
で、一人壁に向かってボールを投げ続ければいい。
そうやって自分だけかわいそうだって思って
ずーっといじけてメソメソしてればいいんだ!」

「自分がかわいそう?メソメソ?なんだよそれ。
俺がいつそんな…」
俺は振り返りキュヒョンの方に詰め寄理キュヒョンに掴みかかった。

一番痛い所を突かれたのは自分のでもわかってる。
が、認めるわけには行かない。
認めてしまったら…

「ちょ、ちょっと待って!ねぇ、二人とも落ち着いて。
ダニエルさん。ねぇダニエルさん!止めてよ。」
リョウクが間に入ろうと必死だった。

「あ、あぁ…シウォン。落ち着けシウォン。」
ダニエルが俺の方に手を置いた。
俺はその手を払いのけひと睨みしてキュヒョンから
手を離し、立ちはだかるダニエルの胸を押し
道を開けさせ、その場を離れるべく歩きだした。

「ヒョン!本当に逃げるんだね。」
背中にあたるキュヒョンの言葉も今度は無視した。
俺は怒りに震えながらこぶしをギュッと握りしめた。

「わかった。じゃぁさようなら。」
キュヒョンが澱みない声でそういったのが聞こえた。

…え?さようなら

「ダニエルさん。ダニエルさんのうち、広い?」

「あ、あぁ…多分それなりに…」

「ベットは?」

「な、何?」

「ベットは大きい?」

「あぁ、それ…えっと、エキストラサイズの特注…」

「よかった。俺も寝れるね。」

「え?」
「え?ちょっとギュギュ。」
『え?』
俺の足が無意識に止まった。

「ヒョン。俺帰らないから。
今日からダニエルさんのところに行く。
ベットも広いみたいだから、一緒に寝られるし…
きっとすごくいいと思う!」

…一緒に寝る?一緒に寝るだと?

『すごくいい?すごくいいってなんだよ。何すごくいいんだよ!
俺以上にお前を満足させられるやついると思ってるのか?』
俺は両手振りかざしながらキュヒョンにそう怒鳴った。

「ヒョン。何言ってんの?特注のベットの寝心地の話だけど…
ヒョン。まだ俺の事疑ってるの?はん!そうなんだ。
じゃぁ、ヒョンが出ていけばいい。出て行ってダニエルさんのところに
行けばいい!!
なんだよダニエルがダニエルが…って…
ヒョンのバカ!!アホ!!おたんこなす!!」

『バカ…?アホ…?おたんこなすだ?!くそっ!!』
俺は10歩かかるところを3歩で戻り
キュヒョンの頭に手を回し引き寄せ俺の口でキュヒョンのそれを塞いだ。

「は、はなせ…ん…よ…むぐぐ…」
歯列を割ってキュヒョンの舌を絡め取り貪る。

最初抵抗したキュヒョンもすぐに俺に身を寄せ
俺の背中に手を回しジャケットをギュと握った。









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終わる終わるって…
まだ終わらない




すみません。
もう少々m(__)m