痴話げんか2-⑫ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


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「なんだお前その声!!どうした?風邪でも引いたか・・・?」

 

デスクの上に山積みにされた書籍やら書類やらの向こうからヒチョルが顔を出して

びっくりした声を上げた。

 


シウォンにイヤッて程このカラダに思い知らされた次の日

シウォンを送り出した後、ソファーで寝てしまったのだが一本の電話で揺り起こされた。

 


相手はヒチョルだった。

 


「もしもし・・・先生?どうしたんですか?」

 


ちょっと寝ぼけた声で電話に出ると時間あるかと聞かれ、あると答えると

自分の医局まで来てくれというのでやってきたところだった。

 

コンコンとノックをするとど うぞ~。と声がかかったので

「お疲れ様です・・・」

と言ってヒチョルの医局のドアを開けた中に入った。

 


昨夜、散々喘がされて啼かされて懇願させられて、最後は声も出ない状態でも
今日も朝から尚追いつめられて、悲鳴にならない声を上げ続けた結果がこれだ。

 


ヒチョルにはバレバレだとは思ったが

「さっきまでソファーでうたた寝しちゃったんで・・・」と

とりあえず答えてみた。

 


『ふーん。そっか・・・』と口では言ったものの、ヒチョルのその顔は

すべてお見通しだって物語っていて、いたたまれなくて自分の足元を見ながら

咳払いなんかしてみたが自分でもびっくりするほどの何とも情けない声だった。

 


『あいつ・・・ほんっとどう しようもないやつだな・・・こいつ、みろよ。マジかよ・・・』

 


ドアの側にバツが悪そうに立って言えるキュヒョンから湧き出るような色香に
シウォンからどれだけの寵愛を受けているのかが垣間見れた。
けれど、当の本人が自覚がないからタチが悪い。

 

ヒチョルは眉を顰め、チッ!と舌打ちしながら思わずこぼした。

 


「え・・・?なんですか?すみません聞こえなくて・・・」

キュヒョンが慌てて顔をあげたが、

『お前に言ったんじゃない。独り言だ。』

といってまぁまぁ、座れや。と促され部屋の中央に置かれたソファーへと腰を下した。

 


『カラダ・・・大丈夫か?』

「え・・・?あぁ・・・えっと・・・いやその・・・まぁ…はい。」

唐突に聞かれ昨夜の件でなのか、ソファーでうたた寝の件でなのか

軽く混乱してしどろもどろの答えをしてしまった。

 


『きつい時はちゃんとあいつに言えよ。』

言わなくてもヒチョルにはわかってしまう。

 


「・・・えぇ、でも、なかなか聞いてくれなくて・・・」

左の口角を少し上げ自嘲するように笑いながらキュヒョンはため息をついた。

 


『あいつ、バカが付くほどまっすぐだからな・・・ほんっといい性格してるよ。』

 

「いや、もちろん大事にされてるんだろうなぁとは・・・わかってるんですけど・・・」

 

『なにが不満なんだ?』

 


「え?不満とかじゃなくて・・・なんで俺なんだろって・・・」

 


「シウォン先生はとにかく・・・
何から何まで、えっと、カッコ良くて、声も素敵だし、仕事もすごくて、
自信に溢れてて、なんでも持ってて・・・
とにかく、すごい人だから、それに比べたら俺なんて・・・
いきなり飽きられちゃったりしたらって思ったら俺・・・」

 

そこまで言って、はぁ・・・とため息をついて一呼吸ついて
ヒチョルを真っ直ぐ曇りのない目で見つめ、
「どうなっちゃうのかな・・・って」と吐き出すと、
はははと、掠れた声で笑った。

 

 

 


「それより・・・先生、何か用でしたか?」

キュヒョンはヒチョルに問いかけた。


『あ、あぁ。実は後もうひとりくるんだけど・・・ちょっと待って』


「もう一人?」

不思議そうな顔をするキュヒョンにヒチョルはまぁまぁまぁとニヤリと笑った。

 

 

ーーーーーーーーーー

『キュヒョン、すまん!俺、昨日、こいつとシウォンが昔そういう仲だったってこと
みんなの前で言っちまった!』

ヒチョルが顔の目で手を合わせ、頭を下げながらキュヒョンに謝った。

 

「え・・・?」

びっくりしたキュヒョンは目の前に座るヒチョルとドンヘの顔を交互に見ながら
目を丸くした。


後から来るもう一人とはドンヘだった。
いったい何事かと不思議に思っていたら・・・こういうことだったのか・・・


『って、事で、ちょっと話しといたほうがいいかなぁ~って思って・・・
何気に本当はお前も気になってるんじゃないってのも気になってたから・・・』


「はぁ・・・そんなんだ・・・ヒョク、テンションあがってるだろうな・・・ははは」


『あぁ、かなりトゥギに詰め寄ったみたいだ。』


「俺、夜会うことになってるから、きっと・・・」


『だろ?だから先にいっておこうかなぁって・・・』


「だったら電話でも・・・それとも何か他にも?」


『そう、そこなんだけど・・・おいドンヘ、お前から・・・』


「え・・・あぁ・・・あのさ、キュヒョン、俺とシウォン、確かに昔ちょっとの間付き合ってた。」


「あの、えっと・・・それはもう・・・」

キュヒョンは複雑な思いでドンヘの話に耳を傾けた。

 

「今のシウォンはね、昔みんなが知ってたシウォンと全然違うんだよ。
あっ、あの違うっていうのは性格とかじゃなくて、人に対しての執着かな・・・」

「人・・・?執着・・・?」


「シウォンってあの通り、万人に人が良くて、万人に愛してるって言えて
その上あのルックスだから周りがほっとかない。
シウォンもそれはわかってて来るものは拒まず、去る者は追わず・・・
誰かに固執することなくてとにかくマイペースで・・・」


「・・・・・」


「それがね、そんな彼がね、ある人にだけには違うんだよね。」

2人が笑みを浮かべながらキュヒョンを見た。


「え・・・?な、何・・・・?」


『そう。お前だよ、お前。お前があいつを変えたんだよ。』


「はぁ・・・まぁ、それは・・・。でもそれって、俺だけってわけじゃ・・・」


「それがちがうんだなぁ・・・キュヒョン。キュヒョンだけなんだよ。」

ドンヘがの言葉の重みが増した。

 

『で、シウォンはそんな自分に戸惑ってる。
なんにも怖いものなしのシウォンがお前の事だけは
自分でもどうにもならないことがあるって事、思い知って戸惑ってる。』


「え・・・?何で?」


『まぁ、あいつも人の子だったって事かな?』

ヒチョルがニヤリと笑うがキュヒョンには今一つピンとこない。

 

「そうそう。ほんとにね。天使に頭が上がらない。」

ドンヘもそう言うとニッコリ笑った。

 

『さっきもここに来てて「キュヒョンがキュヒョンが」って・・・そりゃまぁ~ウザかった。』

 

「あのね・・・シウォンもキュヒョンと同じで不安なんだと思うんだよ。
キュヒョンは俺なんか・・・って自分の事言うでしょ?でもそれって違うよ。
キュヒョンじゃなきゃダメなんだよ。
シウォンもいつもあんないい奴に俺なんて本当はもったいない・・・って言ってるし。」

ドンヘは全く呆れるよって言いながらもなんだか嬉しそうに笑っていた。

 

「えっ?!」

 

『お前らさぁ、2人して同じことで悩んでんじゃねぇよ。』

ヒチョルはキュヒョンの頭をくしゃくしゃ~っと撫でながら豪快に笑った。

 


「キュヒョンさぁ、自分からちゃんと意思表示してる?」


「う~ん・・・」


「ねぇ、俺からのお願いひとつ聞いてくれる?」


「え・・・?そんな改まって・・・なんですか?」


「たまにはキュヒョンから気持ち伝えてあげてくれるかな?
キュヒョンにはなかなか大変なことだろうけど。たまに・・・ね。」


「・・・・・」


「やっぱ口にしないと伝わらない事ってあるじゃない?」


「シウォンの不安、解消してあげてよ。」


「えぇ・・・はぁ・・・そうですかね・・・」


それきり3人とも黙ってしまった。

 

 


「ん・・・あ・・・ちょっとレラ、ダメだってば。」


『ちょっとだけ・・・いいじゃんか。俺、なんかたまんね。』


「キュヒョンがいるだろ!触んなよ!お前、バカじゃね?」


ずっと下を向いていたキュヒョンがおかしな会話が耳に入ってきたので
「ん?」と顔を上げると目の前でヒチョルとドンヘがキスをしていた。


「・・・・・え?・・・・・なに?・・・・・」

あまりにも意表をつかれ、口をあんぐり開けたままポカーンと2人を見つめた。

 

「あの・・・えっと・・・俺、席外した方が・・・いいですよね・・・?」

我に返ってそう提案した時にはヒチョルがドンヘの首筋をツーっと胸元から顎まで
舐め上げてるところで、その舌の動きと生々しい色にキュヒョンかぁっ~っと
体が熱くなるのを感じた。


(うわぁ!なんだよこの人達。まじかよ!)

 

「あの~・・・じゃぁ俺これで・・・」


咳払いをしつつ出口に向かうと最後にもう一度ふりかえりお礼を言おうとすると
2人の姿がなかった。

 

「あれ?あの・・・?」

 

と、ソファーの背の向こうから、いきなりドンヘの頭が上がった。
が、その首にはヒチョルの手が絡まりすぐさまソファーの向こう側に消えた。
そして今度はヒチョルの頭が上がりキュヒョンに向かって
「まぁ、とにかくお前もがんばれ!」
と言ってまたソファーの向こう側に消えて行った。

 

「はぁ・・・あの、お邪魔しました」

後ろ手にドアを閉めてフゥ・・・とため息をついたところで「あっ・・・」と思い
もう一度ドアを開け首だけ突っ込んだみもうそれどこじゃないであろう2人に
一応声をかけた。


「あのぉ・・・鍵、閉めたほうが・・・」

すると、ソファーの向こうからシッシッとヒチョルの腕が動くのが見えた。

 

「あぁ・・余計なお世話でしたね・・・はいはい・・・」

とまた、そっとドアを閉めた。

 

が、やっぱりまずいんじゃないかと思い、
(とりあえず不在にしておくか・・・)とドアプレートを動かしておいた。

 

すると部屋の鍵がガチャリと閉まる音がして、部屋の中で派手な音がしたかと思うと
「うわっ!くっそ!痛って!!!」と声が響いていた。

 

ヒチョル先生の慌てっぷりが想像できて、キュヒョンはクツクツ笑いながら
(結構、声、聞こえちゃうかも・・・気をつけよ・・・)なんて思いながらその部屋を後にした。