ギャーーーーーー!!!!




奇妙な大声で叫んだのは、私だった。


家の中に嫌な空気が流れているのを感じて、それをどうにか取り除きたかった私は台所で大声で叫んだのだ。 
 

生理前のイライラがあったのかもしれない。何となく家族の空気がトゲトゲしているように感じて、このままでは嫌だと思った私は、隣の部屋に娘がいるにも関わらず大声で叫んだ。
 

娘自身も何だかイライラしている気がしていたのだ。だから「一緒にどうだい?」そんな誘いも込めた叫びだった。 
 
  

娘はチラッとこちらを見た。 
 

「みー、一緒にどうだい?ギャーーーーーー!!!!」


娘はわずかにニヤつき、ランドセルのある場所まで行くと、リコーダーを手にして一吹きした。


「ピーヒョロヒョロヒョロヒョロ」


何とも力ない音に、私は思わず吹き出した。
 

「何それ?www ピー!って思いっきり吹いたら良いのに」

「ヒョロヒョロヒョロヒョロ」


どうやら、わざとやっているようだ。

 
2人で顔を見合わせて笑った。 
 
 
うちでは、いつもこんな風にしてイライラを持ち越さないようにしている。叫び散らかして暴れまって、イライラはエネルギーとして我慢せずに外に出す。だからか、すぐにケロッとなれる。
  
 

娘が小さい頃から「泣くな」とは言わずに泣きたいだけ泣きなさいと言ってきた。 

泣きたいなら泣けば良い。
そうやって育ててきた。

うちは、それが合っていそうだと思ってそうやってきたのだ。


一軒家で、隣から何か言われることもないのは本当に有り難かった。 



娘はもうすぐ中学生になる。 

周りの意見に流されず、自分の意見をしっかり持った娘に育ってくれた。 
 

これからもあなたはあなたらしく、自分の信じる道を突き進みなさい🍀