掛けた費用に対する効果が自分にとって有意義だったり有益だったりすると「コストパフォーマンス(費用対効果)がいい」「コレはコスパがいい商品だった」などと言ったりします。そして、掛けた時間に対する効果が自分的にてきめんだったり絶大だったりすると「タイムパフォーマンス(時間対効果)がいい」「あっちよりこっちに行ったほうがタイパいいよね」などと言ってみたり…。
我が国にでは最近、コスパタイパを重視する風潮があるように思えます。コストパフォーマンスは英語ですが、タイムパフォーマンスはコストをタイムに置き換えた和製英語のようですね。成人しているかしていないか微妙なセンだなと思う位のヤング(テロップには大学生とだけ表示)が、「恋愛って、コスパもタイパも悪い気がして…、だから興味持てないっていうか、夢中になれなくって。ついバイトとかダブルスクールとかを優先しちゃうんですよねー」と、コスパタイパを重視するあまり恋をすることに消極的になっているようなコメントをテレビの報道番組で聞いてしまった時はちょっと…いや、かなりビックリしましたよ。
しかしこのご時世、昔より「効率的に生活したい。損はイヤ。失敗なんかしたら取り返しつかないし」と思いやすくなるのでしょう。やり直す、リセットする、手間をかけて待つような気持ちでいたら周囲から置いて行かれたり、ペナルティ的な負荷を感じたり、誰かから揶揄され傷つきかねないと予測してしまうのは仕方ないだろうから、こういう考え方を持つ子も一定数いるんだな、と。この考えが良いことなのか、はたまたそうではないのか…個々の価値観の問題でしょうから意見も様々と認識しています。ただ、「恋愛ってコスパタイパ悪くない?」は、昭和55年生まれにはちょっとビックリする斬新なコメントでしたよ。
そうは言っても私だって、学生時代にゲームを購入したら攻略本なるものを同時に買い求め、読み込みつつ早くクリアをしようと仲間達と競っていましたし、試験前は先輩から過去のテスト用紙やらノートやらを借りて「傾向と対策」を把握し良い点を取ろうとしていました。これもタイパ重視脳が働いていますよね。最近だって、「コレ1本で!」的な洗剤やら化粧品やらに魅力を感じ使っていますし、何かを料理するときは料理名に「簡単にできる」「短時間で」などというフレーズを足してレシピを検索することもあります。
値上げ値上げの日々を工夫して凌ぎたい(故にコスパにこだわる)のは多くの方々が希望する事かも知れません。しかし、何をそんなに急ぐのか?、面倒くさがるのか?についてはどうなんだ…とハッと我にかえって、逆にしばらく「何でだっけ?」と呆然としてしまうことも。ボンヤリしている時間は好きですから、もしかしたら私がコスパタイパを重んじる時は、「その後ボンヤリしたいから」が理由なのかもしれません。