良い香りのトリートメントが目の前にひとつ。更に、また違うタイプの良い香りのトリートメントがもうひとつ…いただきものとたまたまセール中にゲットしたものです。新品のそれらを並べ、どちらも好き、毎日使うの迷いそうだなぁ…と、ちょっと嬉しさが含まった困り顔をしていました。好きなものたちの間に身をおいて「どれにしようかな」と考え込むって、なかなか幸せなことだと思います。子供の頃、オモチャ屋さんに連れて行ってもらい、「欲しいのひとつ選んでいいよ」と言われたり、喫茶店やパーラーで「好きなおやつ頼みなさい」とメニューを渡されて「…いいの?いいの?」という気持ちになって、かなり緊張しながらオモチャやおやつを選んだ時も「幸せな困惑」が生まれていましたね。
この選べる幸せを大事にするために、一見更なる幸せが待っていそうなことだけど、やっちゃいかんこともある、と大人になってから知った行為があります。ひとつ、言われたら吟味の末ひとつ選んで幸せを噛み締められますが、「ある程度の数選んでいい」となるとどうしても欲が強まりがち。そして、妙な考えに走ってしまう傾向があるのは私だけでしょうか。ジュースをいくつか買ってもらい混ぜて飲んでみたり、ペンを数本買ってもらい色を混ぜ合わせながらぬり絵やお絵かきをしたり…大抵、美味しくなかったり変な色合いになったりして「なんか違う」という感情が芽生えちょっと後悔するのです。私のつたなきやり方では、イイモノとイイモノを足しても二倍のイイモノにならないものだと悟りました。無論この世には品種改良やらコラボレーションなどから生まれる「良いとこ取り」のハイブリッド的商品は存在します。しかしそれはその道の専門家やプロフェッショナルの思案によりやっとこさ出来たもの。素人考えではないのです。
欲の出しすぎは良い結果を生まない…。だから、2つのトリートメントは混ぜて使わないでおこうと心に誓う43歳でした。