冬の爪は硬いか。 | 壇蜜オフィシャルブログ「黒髪の白拍子。」Powered by Ameba

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実家にいた頃は近所の方のうがいの音やお風呂場での鼻唄が聞こえてくる時もありました。密集した住宅街だったので、うがいの音を聞けば「ああ、私もあんなふうに丁寧にうがいしなきゃ」と思いましたし、鼻唄にくすりとさせられる日もありました。最近の集合住宅ではこのような音は聞こえませんが、時々妙に懐かしくなります。聞こえないことが一番とは思うのですが、時々耳に入るというのは子供の頃からの自然現象だったため、よっぽどの大声や音でなければ「隣にも人はいるよね」と納得したものです。我が家でも私がアニメの主題歌を歌っていたり、庭にくる鳥に話しかけたりする声は確実にご近所さんの耳に入っていると思います。一人っ子ということもあって、やたらと動物に話しかけていたっけ…

先日、アジアにある山岳地域にて詠まれた詩を目にしました。「冬の日に隣の家から爪を切る音が聞こえる」という内容のものでした。冬の乾いた空気のなかにぱちんぱちんと誰かの爪切りの音が響いて、どこかうっすらと温もりを感じるような余韻を残す詩だと思いました。