同じ失敗を繰り返すのは、人間として自信を無くしてしまいそうになります。例えば宿泊先でいつもシャワーとカランの二択を間違えてしまい、「あああ」とびしょ濡れになったり、自転車のカギを携帯し忘れたまま駐輪場に行ったり…。「またかーい」と自分に自分で突っ込みを入れることにも呆れが入ってきてしまいます。びしょ濡れになった服を乾かしたり、カギを取りにもう一度部屋に戻ることを人生であと何回繰り返せば、一体私は気が済むのか…。うっかりすると、来世せっかく人間になったとしてもまだそんなことをしていそうです。こんな私は来世どうなってしまうのでしょう。
失敗をしない、というのはもう無理だということを悟り、「失敗しても大丈夫な環境を作れば良いではないか」と思い立ったのは35歳をすぎてからです。シャワーとカランを間違えるなら、最初から湯船にはいって裸で蛇口をひねればいいですし、自転車の鍵は暗証番号ロック式に変えました。独自の進化を遂げて、生き物は強くなるものですね。