「プールがない理由」。物理的に建設できないままここまできて、そもそも海行くしプールいらなくない?という見解が当時の答えだったようですが、思春期の女子生徒はそんな答えでは満足できません。やれ霊が出るだの、やれ昔の呪いがあるだの、噂できゃあきゃあと楽しんだものです。「カッパが出て悪さをするのでプールを封印、カッパは多摩川に放流した」という説が記憶にある限りでのベストアンサーです。
思えば私の母校にはプールがありませんでした。今はもしかするとあるかもしれませんが、当時は夏期合宿で海に行き、遠泳の授業があるのに学校にプールがない…という謎の状況だったのです。プールがないため、遠泳に向けての授業はどこぞのスイミングスクールを借り、生徒が現地集合して授業にのぞんでいたのでした。当然我が校のことしか知らない我々生徒たちは、当初は「そんなものだ」と特に疑問に思わなかったのですが、だんだんと「何故わが校にはプールがないのか。他の学校にはどうやら学内にプールがあるらしいぞ。ざわざわ」と疑問が湧いてくるのでした。