鏡の前にじっと立つ。
見慣れた顔を覗き込むと、久しぶりにアイツが写っていました。
私のやんちゃな分身であり対話相手、グレ。
蜜「久しぶりだね」
グレ「出たな問題児」
蜜「問題児はグレでしょ。というか32には『児』をつけちゃだめでしょ」
グレ「問題女」
蜜「成長させたら反社会的になったなあ」
グレ「やってることが反社会的じゃん齋藤支靜加ちゃん」
蜜「それ本名」
グレ「なに?最近やらかしてんじゃん、忙しそうなフリしてさぁ」
蜜「お陰様で。たまに出てきたんだから、ちょっと質問させてよ」
グレ「なに?」
蜜「せっかちと、せっかちじゃないの見極めって、何だろう」
グレ「信号機の赤→青が待てなくてフライングしがち。対面の通交人、つられちゃってうっかり集団せっかち移動」
蜜「あるある」
グレ「あるあるつまんないなー。じゃあさ、トイレの蓋自動開閉システム」
蜜「勝手にあくやつ?」
グレ「そうそう。あの自動蓋オープン待てずに手で開けて意外な機械っぽい手応えにビクッとすればせっかち。待てたらせっかちじゃない」
蜜「意外な蓋の手応えと機械音に『ワタシ自動ナンデスケド』アピール感じて謝ったことあるかも」
グレ「へっ。せっかち」
蜜「いいの別に。…ありがとう」
グレ「ちゃんと働け。ちゃんと生きろ」
蜜「うん」
グレ「鏡は磨け」
蜜「分かった」
採算のとれるヤツでいろ。
鏡の向こうでニヤリとされた気がしました。