お疲れ様です、支靜加です。
私の家のすぐ近くに銭湯があります。私が生まれて今のお家に引っ越して来る前からすでに建立されていたらしいので、ある意味老舗の銭湯です。
先日久しぶりに広々とした湯舟につかりたく馳せ参じた時のことです。女湯の脱衣所に設置されている大きな鏡の隅っこに、マスター(60代後半くらい。地井武男似。)直筆の貼紙が。
読んでみると、概要はこんな感じでした。
「営業中、女湯の掃除を店主(マスター)が行う事に対して、女性のお客様数名から『不快である』との声をいただいた。しかしながらもう何十年も店主の仕事として定着しているものですし、思いもよらない苦情に正直驚き、戸惑っている…」
というものでした。確かに私も小さな頃からこの銭湯に通っているので、脱衣所や浴室の点検、清掃に殿方であるマスターが女湯に入って来られることにあまり違和感はありませんでした。点検や清掃もかなり力をつかうお仕事ですし、仕方ないかな、と。
しかし不快に思う方もいらっしゃることは、私にも理解できます。無防備に裸になる場所ですし、入って来られたら確かにびっくりしますよね。
そんな事をぼんやり考えながら貼紙の文章を追ってゆくと
「マスターによる清掃は決められた時間帯に行い、後の緊急呼出しなどは、マスターの奥方が女湯に伺う。」
という打開策が。決められた時間も表示され、これで解決に向かうような気がしました。
ふと、貼紙を見つめる私の横に、小柄なおばあちゃんがタオルで体を拭きながら
「時代だねぇ。」
とつぶやきました。
私も一言
「時代なんでしょうね。」
それでは、本日はこのあたりで。