急に「昔聞いた恐い話」を思い出してしまい、「あれはお化けではなさそうだし、アヤカシの類?それとも具現化した怨霊?」とひとり疑問に浸っていました。「トンカラトン」という謎の存在をご存じでしょうか。日本発祥らしく、全身は包帯でグルグル巻き。夕暮れ時に現れることがおおく、日本刀片手に自転車に乗って「トン、トン、トンカラトン(トントントン、と続く説もあります)」と何処からともなくやって来るのだとか。出会った者に「トンカラトンと言え」と迫るように強要し、相手が「トンカラトン」と従うよう言うと何もせずに去って行くようです。
しかし、トンカラトンと言えなかった、言わなかった場合は…刀でザシュっと…そしてその者もトンカラトンみたいになってしまう、という流れがよく語られているため「何が何でもトンカラトンと復唱しなきゃいけないの?そうしないとトンカラトンになっちゃうの?」と震えたものです(言われる前にトンカラトンと言ってもアウトらしく)。恐怖で声が出ないパターンもあるでしょうに。何という理不尽な…そして目的は何なのか…あまりにも不可解な点が多すぎてより怖くなります。
私がこのトンカラトンの存在を知ったのは中学生の時でした。アニメの中に登場するが完全にフィクションではない、という余談も耳にしていました。同じようにトンカラトン情報を聞いたあるクラスメートが、「自転車に乗ってるってことは、実在のセンない?」と言ったため、ますます周囲が「そっちの方が怖い!」と震えたような記憶があります。
トンカラトンは、客に逆恨みされ斬られた古美術商の関係者だった、刀を不躾に扱い、上官の怒りをかって刺された兵士だった…その怨念が形になって…みたいなルーツも調べたら出て来ましたが、コレだ!という答えはなくいまだ謎の存在のままでしたね。それにしても、万が一実在するのならば、片手運転しているし銃刀法に違反している疑いがありますから、取締対象になりそうだなぁと思うのでした。自転車の猛練習して包帯だらけという説だったらちょっと可愛げがあるのに…