芸術エッセイ 〜画家とイラストレーター〜 | 画家の雑記帳

芸術エッセイ 〜画家とイラストレーター〜


前々記事で、、「模倣と独創」という記事を
書いたら思ったよりも反響が大きく少々驚いた。。
以前から感じていたことを書いたのだけど、
同じように思っている人や、
またそうした世界のことで悩んでいた人も
たくさんいることを知り、、
書いてよかったと思っている。。
そのコメント欄で少し触れたのだけど、
今日は、「画家とイラストレーター」
という世界について、少し話しを展開してみたい
と思う。。。

今回は、、、かなり独断かもしれないし、、
考えに偏向があるかもしれないですけど・・
ということを事前に断っておきます(笑)。。

さて・・
まずは、画家ってどこから画家で
どこから画家でないのだろうか・・・。

個人的には、、水彩であれアクリルであれ油彩であれ
とにかく毎日のように、、何年もずっと絵を描いていれば
「画家」だと思います。それはたとえ売れなくても。。。
かのゴッホだって生前一枚しか
売れなかったのは有名な話しですから、
自分で「画家」といえば、画家なんです、きっと。
個展を定期的にしている人の中でも、たまに
「絵を売らない」という人もいる。。
いろんな考えがあるので、それはそれでいいのだけど、
少なくとも、その時点で「職業的側面」を放棄しているわけ。。
でも、画家であることには違いないと思います。。
「あなたは絵を売らないから画家ではない」
なんて言えないと思うんですね。。

しかし、イラストレーターというのは、また違う世界。
企業などのクライアントから、「絵」の注文を受け、
絵を描くわけで、、イラストレーターは自分が描きたい世界
とか主題とかあっても、もし、たとえばクライアントが
サンリオだったり、ディスニー社だったりすると、
そこに描く絵は、おのずと自分が描きたい世界のものと
ぜんぜん違ってたとしても、クライアントの要請にそって、 
ひとつの規制の枠の中で絵を描かなくてはいけない。。
これは、文学でいえば、小説家・エッセイシストなどと、
コピーライターの違いと同じ。。
話しは少しずれるかもしれないけど、、
さっきの画家の話しでいえば、、毎日イラストを描いている
からってイラストレーターとはいえないと思う。。。
職業として成り立っていないのに、
ワタシは「イラストレーター」です、、と言われても
僕は少し違和感感じる。。毎日、何かデザインを
スケッチブックに描いていたらデザイナ-なのだろうか。。。
毎日、ノートにキャッチフレーズ描いたら
「私はコピーライターです」といえるのだろうか、、
そんな風に感じるわけです。。。

それはさておき、ここで言いたいのは
画家が、イラストレーターが
上とか下とかその高低を論じるつもりは毛頭ないし、
いや「画家の方が上」とか言いたい人も
中にはいるかもしれないけど、、でもどうでしょう、
一流のイラストレーターで日々イラストしか
描いてないけど、、そこいらへんの画家より
すごい人、世界にはたくさんいるのも
事実ではないでしょうか。。
毎回、毎回、限られた時間枠の中で、仕事として
注文内容にそって、どんどん描いていける実力がなきゃ
成り立たないのである。。。。

美術の世界もその昔は、そもそもイラストレーターの
ような世界だった。。中世の多くの巨匠は
教会とか王族から、、宗教画や肖像画の依頼をうけ
それを生業(なりわい)としていた。。。
自分が描きたいモチーフを
自由に毎日描いていたわけではないんですね。。
その中で名作と言われる作品を生み出していった。。
昔の日本の巨匠達も、、お城とかお寺から注文をうけ
ふすまなどに、「松」や「竹」や「鶴」を、、
要請をうけ描いていた。。
そういう点では、、イラストレーターやデザイナ-の
世界だったわけですね。。。
でも、「美」の世界であり、、その「美」の創造に
おいて、今日、そうした人たちは偉大な芸術家として
崇められている。。。
現代でも偉大なイラストレーターやデザイナ-は
そのまま「芸術家」なのだと思います。。

で、イラストレーターの「絵」と
画家の「絵」の境界線も、いまでは厳密には
そのたてわけが非常に微妙になってきました。。
村上隆や奈良美智の絵が、
(死後50年とか経ってないので
勝手に絵を載せれませんが)
今日のアートシーンの最前線にあり、
時に何億とかで取り引きされ話題にもなりますが
もはや自分の主題で描いてるか、
クライアントの要請があるか・・みたいな
その違いだけになってきた感もあります。。
彼らは海外で大きく認められ、、、
そのうえで、逆輸入的なカタチで日本で認められましたが、
彼らが認められ、主流となる前までは
イラストみたいな絵を描くと、、、同じ画家からでも
絵がフラットすぎる、、とか奥行きがない、、、とか
たんにダイレクトに、、、「イラストみたい!」
などと言われる時代的風潮すらあったものです。。
先のお二人も、もし「日展」とかそういうところから
画業をスタートさせていたら、、認められなかったかも
しれない。。かなり厳しかったのではと思います。。
日本って、そういうとこです。。。
(って、言い切っちゃうと、また非難されるかな・・^^;)
ともあれ、そうした世界が認められ、、
こんどは、あまりに「アニメみたいな絵画」
がやたらに若い子の間に増え、
きっと美大・芸大の教授も、
顔をしかめてる昨今では・・と想像します。(笑)

でも、、本来、「アート」って
ある意味、概念の問題かなとも思います。。
(もちろん、それだけではないですが・・)
ウォーホルがすでにキャンベルスープを
ならべて「アート」だと宣言したように
そしてそれが世界的に認められてるように、、
本来、、「アート」って
こうこうこうであらねばならない・・
ということがナンセンスなのかもしれないですね。。。

なので、もうこれ以上、難しく考えるのはやめ、
描きたいものどんどん描いてゆこっと(笑)。
ちなみに、僕は、、どんよりとした感じの
侘び寂びな油彩より、、イラストレーションの
ような油彩画を描きたいとずっと描いていて
雑誌の「イラストレーション」も愛読書の
一つなので、、かなりイラストレーションびいき
な側面があります^^;

ペタしてね

ではまた。。。
なんだかまとまりのない話しで恐縮です^^;

最後に・・・、いつも逆輸入でなく、
日本から世界のアートシーンが変わるような
時代はくるんだろうか・・・
とたまに感じます。。
元気ないですね、、日本の美術界。。。
とりあえず、小さな小さな光りですけど
「小さな絵の大博覧会」みんなで頑張りましょ~^^
と無理矢理しめさせていただきます(笑)。