絵画エッセイ「絵を買うということ」
先の記事「絵の聞き方」の
第1話でのコメント欄で・・
「値段がついて個人所有されてしまうと、
観れなくなっちゃうのが残念だな~」
という声があり(もちろん、特に名画に
ついてだと思いますが)、
それにふえんして、他の方でも、
「収集家の方(特に絵画や彫刻等?)は
自分の側に置いておきたい。
財産として所有していたい。
という方が多いように(私の勝手な感じ方ですが)
思われるのです。
個人所有のものでも 皆が観賞できるような
方策があればいいのになぁ・・・と
思うことがあります。」
という声もあったので、
「絵画」と「購入」ってことについて、
とてもいいテーマと思いますし、いい機会なので、
僕が思ってることを書かせていただきます。
まず、名画について。
これは、オークションなどで、大企業の社長とか
財閥の人が買って話題になるときありますね。
それはそれで、企業の応接室や金庫だけにしか
ずっと置かれないものなら、「ちょっといかがなものか」とは
思うけど、企業メセナの一環として、そうした高額の絵
を購入し、いろんな美術館などに貸し出ししてるなら
ぜんぜん問題ないと思います。いずれにしろ
市場にでたら、誰かが「買う」運命なのですから、
単に金持ちコレクターが、抱え込んで、ヒソヒソ
自分だけが楽しむのは、ちょっと~って気がしますが、
ですが、あまりそういう人は少ないと思います。。
けっこうあちこちで所蔵されてるものも、
いろんな機会で公開されてますし、
名画の場合、持つ人もそういう責任や道義的なもの
問われるものですから。。。
では、一般の画家における「絵」の個人所有に
ついて思うことを。。。
僕は、基本的に、値段がついて、売られるべきだと
思っています。僕は画廊もしているので、いろんな
作家の個展の際、「売りたくない作家」もたまに
いて、それはそれで尊重してる画廊主ですが。。。
さて、よくヨーロッパなどにいくと、一般家庭の
リビングなどには、名の知れない画家の絵など
どの家にもけっこうあるものです。それは日本の比
じゃないというか。アートが生活に、日本より
溶け込んでます。またアート系のフリーマーケット
などでも、一般の画家と一般の愛好家で
すごく賑わってるシーンをニューヨークでも
どこの市場でも見てきています。
それはとてもいいことで素敵なことだと思ってます。
先進国の中で日本は、まだまだ、生活にアートは、
世間全般でいえば、まだまだ浸透してない
とそう思います。。
実際、日本の若い人の間でも、
時計や鞄など、そうロレックスやヴィトンには
何十万もすぐに出すけど、
(時計屋もしていてなんですが^^;)
絵にはそうそう何万も出して買う人、
どれだけいるでしょう。。
ほとんどいないです。。
だから、日本の美術市場は、とても
厳しく、有名画廊でも近年、閉鎖してるとこも
ちょこちょこあります。。
画家の視点でいえば、とてもいいづらいことだけど
あえて言わせてもらえば・・・
(いろんな画家さんからも聞く代弁でもあります)、
どんなに「素晴らしい!」とかいろいろ褒めて頂いても、
結局、その人の本意は読み取りづらいものです。
個展で、いろいろすごいすごいとベタ褒めされても、
どんな人も、CDや洋服には何万も普通に使うのに
絵には1~2万円のものでもなかなか
そうお金は使わないと思います。それが現状。。。
お洋服以下です(笑)。なので、誰かの個展で
誰かの作品を褒める場合、すごい高価なもの
なら別ですが、対象が1万や2万のものならあまりに
褒めないほうがいいと思います。。
単に追従かリップサービスかと思う時が
画家にとっては時おりあるものです。
だってそんなにすごいすごいと思うのなら・・
なぜ服とかならすぐ買えて・・
って感じてしまうのが、どの画家も
偽らざる心情だと思いますし。。。
僕は、絵を6~7年描き続けてますが
それを売り始めたのは、自分の画廊を持ってから
なので、まだ1年と数ヶ月です。
やはり、絵を好きで描いている以上、
多くの画家の本音は「絵だけで生活したい」
という願望があるはずなのです。
僕でいえば、1年目の「絵の年収」が百数十万円台
だとすれば、今後の努力とともに、それが
200万台、300万台とだんだん大きくなって
いずれ「絵で食べていける」ようになれば
それはとても嬉しいこと。
結局、購入されるということは、画家にとって、
最大・最高級の真の賛辞であり、
そしてある意味バロメーターでもあり、
買う人にとっては、
好きな画家への支援でもあると思います。
購入されることによって、本当の意味で
「認められた」ってやはり感じますし。。
口ではいろいろ言えますもの。。。
こうしたことは、他の画家さんから
いろいろこれまで聞いてることでもあります。。
僕は書きたくなかったから、
これまで、単に売れたときだけ
売れました~♪なんてやってましたが、
ぜひ、いつもそばに置いておきたい位に
気に入ってもらえそれで購入されたら、
たんに100の褒め言葉の数々より
それ以上にまさる真の賞賛はないと思います。。
もちろん、買わなくても、「個展」などの場合は
遠い中、時間もさいて交通費もさいてその場所へ
見に来てくれること自体がじゅうぶん賞賛して
くれてることと僕はそう思ってるので、
さらにお褒めいただくなくても充分です^^;
だいたい照れるし(笑)。
ちなみに、僕の個人的な立場でいえば、
アンティーク時計などで、充分食べていける
生活を17年以上もしてるので、別に売らなくても、
そして売れなくても、べつに問題はないのだけど
やはりそういう点で、売れたら正直嬉しいです。
今回の個展で一枚30万の絵が売れましたが
その時も、「私などが購入していいのでしょうか」
と、とても謙虚な言葉をいただきました。
で、上のような話しをさらっとだけさせて頂きました。
本当にそれに見合う価値を認めていただいたのなら、
これ以上光栄なことはないことと。
それに、いろんな人の手に絵が渡ってこそ
作家も絵も認知されてゆき、後世の画廊なども
「◯◯先生の絵を買います」となり、、
有名画家ともなってゆけば、美術館などにも
寄贈されたり買い上げられたりで、そうして
そういう場所にも置かれてゆくことになり、
結果、その画家の死後においても
広く絵が伝わっていくことになります。
なので、値段が付いて、絵が売れていくことが
画家にとってとても意味ある大事なことですし、
またやる気の出る事でもありますし、
画家のほうも、毎晩描いていれば、いづれにしても
どうせ絵はたくさん残るので(笑)、
どんどん、気に入った絵があれば
(そしてお金があれば^^)気に入った服を買うように
どこでも買ってあげてほしいと思います。
これは僕が画商であるから言ってるわけでも
ありません。絵なんて押し売りするものでもなく
またつき合いで買ってもらうものでもないですし。
そして画家でもあるから言うわけでなく、
また他の多くの画家さん同様、僕も
以前からずっとそう思ってる純粋な思いでした。。
もちろん
画家によっては違う考え方の人も中いるかと思います。。
また個人的な見解も多いですし
同時に「絵と購入」に関するコメントの
僕なりの長文レス的なものでもあります。
なのでこの記事に関しては、コメント欄は控えさせて頂きますね。
前記事「絵の聞き方」で
何か感じることがありましたら
お気軽にコメントください^^
