画家と画廊(第9話)〜最終回〜 | 画家の雑記帳

画家と画廊(第9話)〜最終回〜


これまで、
画家の外に向かっての
ある意味「営業面」
として個展や公募展のことの
いろんな側面もお話しした。

特に、趣味程度なら問題ないのだけど
画家としての職業としていきたい
もしくはすでに職業としている人にとって
さらなる営業面がある・・・。

じつはこんなエピソードがある。。

まだ僕が若い頃、
広告専門学校にいた時、
いわゆる就活として
2社、面接を受けた。
その一つが、
有名な某美術月刊誌の、出版社のライター。
(結局、西武デパート系広告の
コピーライターにしましたが・・)

その美術出版の仕事内容というのが・・・
おもに「広告の画家さんへの取材インタビュー」
というものだった。。

この「広告の画家さん」というのがみそで・・。

一般的には、画家がみずから「広告を出す」
ということはしない。
ある意味では画家も自営業なのだけど。。
たとえば自分で広告出し
過去の経歴や活躍をどうだ~って感じで
出すことはなかなか出来ないですし・・。

そこで、出版社がやっているのは・・
言ってみれば「タイアップ広告」。

画家自ら、20万とか30万とか
そういう料金を支払い、
雑誌社はその画家に「インタビュー」という形で取材し、
規定の枠に、その記事を書くというもの。

画家は画家で、自分の一部のファンや、
つきあってる画廊の常連さん以外の、
不特定多数の美術ファンに向けて、
自分の作品や活動を見てもらえることになるし、
出版社は出版社でちゃんと広告収入が得られるというもの。

でも、その仕事内容の説明を聞いたときは
「画家の世界でもタイアップ広告があるんだ~。。
 大変だなぁ~」と驚いたものだった。。
この会社のインタビュー記事、ぜんぶそうだったんだ・・と。

もちろん、有名画家を
「取材させてください」という形でやっているところ
もちゃんとある。でも、そういう「取材」を
大手美術系出版社から依頼される人は、
一握りのかなりごくわずかである。。。

でも、「広告」と言っても、
それなりに個展歴も、各種美術展での
入選・入賞歴がそれなりにあるプロでなければ
やる意味がないし、出版社も営業にいかないわけで、
それなりの実力ある画家の人たちが利用するわけだけど。
もっと細かくいろいろかけるのだけど、
簡単にいえばそういうことで、ともあれ、
画家として、それを職業としてる場合、
やはりそれなりの「経歴」は
ほとんどみなさんあるわけで、
そこからさらなる知名度をあげていく努力として、
個展、美術団体の入選・入賞の経歴を作れたら
広告出すだけの効果も見込まれるし、
さっき言ったように、ある意味、
「絵画制作による自営業」なわけですから
そうした広告形態を利用しても
僕はぜんぜん「アリ」かなと思います。

というか・・・ほんとは
美術出版社がもっと面白いアート記事をどんどん書き、
さらには、各種美術団体、美術学校、画廊などから
広告営業をたくさんとり、
逆に、新人の画家さんや中堅の画家さんなどへは
どんどんと無償で取材してあげて、
もっと世に送り出してほしいものだと、そう思っている。
でも、そんなことはないんですよね・・見ていると。。

ほかにも、画家の画壇における政治的な面とか
もっとすごい話しはいろいろあるし、
ちなみに画廊も政治的な面があるし、
美術団体の政治もあるし、
出版社の政治もあるし、そういう部分を書き出せば
もう果てなくどんどん長くなっちゃうので
必要最低限ということで、ここでやめます。。。^^
(折にふれてまた書きますね。。。)

ともあれ、日本の美術界というのは
先進国の中では、ほんと悲しく厳しい状況
が多いです。そもそも、国が芸術文化に
かける予算が諸外国に比べ、雲泥の差で
低すぎますし。。。画家に特化していえば、
ごくごく一部の人だけが、
文化庁のお金でイタリアとかに研修留学できる
程度です。。
公立の美術館への予算も極めて少ないですし。。。

そうした状況から、
せっかく才能があっても
経済的余裕もない、場所もない画家は
ほんとうに大変です。
名のある美術団体の公募展の出品作品も
100号200号がいまや当たり前の世界ですし、
ひろいアトリエでもなければ
そもそもそういう制作すらおぼつかない画家さんが
たくさんいます。。

そんな風に、いろんな面で大変なんですよね。。
だから、毎年、すごい数の美術系大学や
専門学校の卒業生が生まれますが
その中でいったいどれだけの数が
画家としてだけで職業にできる人がいるかというと
もう悲しいほどに皆無に近い数字。。。。
頑張れ、日本って感じ^^;

それにたとえ、なれたとしても・・・
いろいろビジネス感覚や
政治力もないと、絵の上手さだけでは
生き残れないようなところが強くなってる気さえします。

こういうことを言うと、なんだか夢がなくなってしまい
ますが・・
でも、もし、画家をめざず、これで食っていく!
という人がいましたら、こういうことも知っといたうえで
頑張るのは、けっして無意味ではないと思い
記事にしてみました。。

どうか『画家』に愛の手を。。。
いい絵をどこかでみつけたら、
(それが買える範囲の金額だったら)
みなさんも、どうか鞄や時計を買うように、
絵も買ってくださ~い^^

印刷物でなく、本物の絵が部屋にある
というのは、なんというか
ちょっと世界観変わるかもですよ。。^^

長いシリーズ化記事になりましたが、
いったん、これで終わりますね。
ずっと読んでいてくれた方、ありがとう。
もちろん、これからも、不定期ではありますが、
いろんな角度で、画家や画廊の世界を
たいした知識はないのですが、
見聞や経験してきた範囲で
書かせていただこうと思います。

ペタしてね

ではまた~♪