画家とモデル・制作記 | 画家の雑記帳

画家とモデル・制作記

ひさびさに大型の絵(人物画)を描くことにした。
縦1mあるので、人間を描く場合、上半身そのまま
リアルなサイズで描くこともできる。
今回は、モデル事務所を頼まず、身の回りの交友関係から来てもらった。
(モデル事務所/ちなみに美術モデル専門のモデル事務所があり、
 美術系の学校や画家のみが利用している)

さて彼女の本業は女性雑誌のライターだが、ファッションモデルに
なれるほどのスレンダーな美貌に恵まれていて、
以前から簡単なスケッチやデッサンには協力してくれたことがある。
今回はフルヌードなのだが、気持ちよく、さくっと了承してくれた。

もちろん、彼女とは何ら特別な関係でない。
よく友人などから、画家とモデルの件に関して
「欲情しないのか」などと言われることがある。
しかし、これがまったくしないのである。美術系の学校などに行っていて
ヌードデッサンしてたことがある人なら、すんなり理解できると思う。
肩の位置や角度、全体のバランス、陰影、そうしたことで
脳内のモードは占領されてしまい、
そういう情動はどこかへ潜伏してしまうからである。
でないとモデルも怖くてやってられないだろう(笑)。

ピカソなどは描き終えたあと、モデルとけっこう関係したりして
愛人も作っていったりしたが、まぁ、そのへんは
ピカソを持ち出すまでもなく、個人個人の
キャラクターにもよることで、千差万別といえる・・・。
やはり人間対人間なので、
恋愛感情がでることだって十分ありえるのだけれど、
芸術に真摯に向き合って、キャンバスの世界に没頭している時は、
いわゆるエッチな感情は起こってこないものだと、
ワタシはそう思っている。

「画家とモデル」論はこのへんにしておき、
制作のほうなのだが、今回は、デッサンに1時間半ほど、
それから油彩の塗り重ねに2時間半ほど要した。
もちろん、4時間も、モデルがじっーと静止していられるわけでないので
20~30分に一回は少々休憩してもらう。

ちなみに油絵やってる人ならわかるが、
たとえば、人間の場合、最初から肌色をぬっていったりはしない。
今回は時間がなかったが、通常は画面全体に下塗りというものをし、
そのうえでキャンバスに描き始める。その際も、
作りたい効果に合わせ、重ねていく色も違ったりします。
まぁ、そういう細かいことをいろいろ書いても仕方ないのでやめときますが、
今回はとりあえず、グレーで描きはじめた・・・。
最終的には、白っぱい肌色をイメージしていたが、
なんだかこれはこれで気に入り、白黒写真のような世界にしようかとも
今、迷いだしている。

僕の場合は、最初から下書き通り「ぜったいこれでいく」というスタイルではなく、
思いついたら途中でいくらでも変更していくタイプだ。
下記の絵を見ればわかるが、腰のくびれなども
通常じゃありえない細さだが、追求の過程であえてリアルさから離している・・。
また描きながら、これからも多少変わっていくに違いない。
こういうのは画家によってさまざまなタイプに分かれるもので、
設計図通り正確に進むようなタイプの人ももちろんいる。

とりあえず、今回書いた人体部分、乾くのに1週間近くかかるので、
それまでゆっくりさらに考え、dry on wet でまた色を重ねていくつもり・・・。

そういうわけで、下が製作途中の絵 ↓ (長い文になってしまいました・・)


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