死と向き合う その1 | 自然治癒力研究所のブログ

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心と体の癒しのブログです。

私は産業カウンセラーなので、会報誌が毎月届きますがその中から気になった記事を抜粋したいと思います。原文のままでは長いので、端折ったりしています。
記事は長野県の神宮寺高野住職で、文中「私」とあるのはこの方のことです。

①準備された死(Prepared Death)

 享年46才主婦、膵臓癌でした。発病3年後、癌は全身に転移して亡くなりました。以下Yさんとしておきます。ご家族はご主人と、中学生の一人息子。
 最初、体調が悪くA病院で診察。そこで癌が見つかり、転移も分かったため化学療法になりました。手術を行った2ヶ月後、彼女は一人で私の所に相談に見えました。私達はこれから死に向かうまでどう生きたらいいのか、末期の治療などどうしたらいいのかなどを話し合いました。そして、彼女のリビングウィル(生者の意思)を私は受け取ることにいたしました。
 その後、治療は続いたのですが、中々効果が上がらず、Yさんからセカンドオピニオンを受けたいのでB病院を紹介して欲しいという要請がありました。ついては私の知り合いでテェリノブイリへの医療支援活動を一緒にしてきたB病院名誉院長の医師を紹介しました。Yさんはセカンドオピニオンを受けに行きました。
 B病院の問診段階でA病院と同じ判断をされました。Yさんはここで最大の危機に陥ります。セカンドオピニオンに彼女は僅かながら治療改善の期待を抱いていたのです。しかし、診察結果が同じということで、激しく彼女は落ち込んでいきます。残されていた希望が砕けて散ったのです。
 希望を断たれた後、Yさんは再びA病院に戻りました。そこでは主治医が交代し、信頼していた医師から若手の医師になってしまいました。その医師とのやり取りの中でYさんは医師不信に陥ります。
 医師不信に陥ったYさんは、近代医療を断念し、代替医療に移り、それから免疫療法とに移っていったのでした。そういう過程で、死は訪れたのです。