自然体験を行うことを特徴としているNCEGではコロナの中でも子どもたちと生物~自然との関わり合いを可能にするために、リモートでの自然教室を開くことにしました。毎回、テーマをもって開催するので、画面を通して学んだことを後で家族でホンモノの生物に触れながら確かめるようにしてください。教室では、みなさんの身の回りのことで質問などもあれば出してくださって結構です。
20200830(日)10:00~第一回の自然教室をしました。
テーマ「こめ(イネ)にも、花がさくの?」
参加者は4家族
➤花の後には実ができている
ユリ はなびらがちったあとに実ができてる。はなびらだけでなく、糸のような雄しべやしばらくは実の先についている雌しべも、やがておちます。
オシロイバナも花びらが枯れた後に実ができています。
秋の七草のひとつ、クズも新しい花が先へ先へと咲いていきますが、咲き終わった下の方の花びらから枯れていき、実ができていきます。
では、インゲンマメで実のできる様子を見てみましょう。
花びらは、黄色くなっておちそうです。その下に豆の実ができているのがわかります。
花びらと糸のようなモノ=雄しべがくっついておちています。雌しべは実の先にまだついています。これもやがて実からおちます。
雄しべの先には花粉ができます。この花粉が雌しべに付くと、この雌しべの下にある実になる前の子ども=子房が育っていくのです。インゲンの子房は、すでに豆の形をしていますね。
➤植物の中には花びららしいものを持っていないのもある
カラムシ
マオウ
イノコズチ
ノブドウ
花びららしいものがない植物も雄しべや雌しべがあるのでしょうか?このノブドウで調べてみましょう。
もう一度、花びららしいもののない花をよく見ると、どの花にも、突起があります。写真の中では、アリの来てる花だけ、いくつも突起があります。どの花にもついている真ん中の突起は雌しべ。アリのついているのにはその雌しべの周りに5つの突起が見えます。これが雄しべです。他の花は、もう、雄しべが落ちてしまっているのです。
やはり、雄しべと雌しべがあるのですね。
=それでは、実が米になるイネはどうでしょうか?=
「イネも、花が咲いて米になるの?」花びらがないから、花が咲いているとは思えませんよね。
これがイネの雄しべなのです。この楕円から花粉が飛びます。
では、雌しべはどこにあるのでしょうか?
雌しべは、外からは見えません。このつぶの中にあります。
では、一つぶだけ取り出してみましょう
これを切り開くと
つぶの外に出ているのが花粉を出している雄しべ
中にもじゃもじゃとしたのが雌しべです。
雄しべの花粉が雌しべに付くとこの子房は育っていき、米になるのです。
➤実になるための仕組み
雄しべの花粉が雌しべに付くと雌しべの付け根の子房が育っていき、実になるんだよ(これは実際に実験観察したら、納得できますね)
➤花というのは花びらのある花もあるけれど、花びらのない花もあるんだね。でも、どちらも、雄しべや雌しべがあって、実をつくるところなんだね。
※今日、取り上げたのは両性花の植物。植物には、雄しべだけの花、雌しべだけの花に分かれている植物などもあります。
=以上が第一回自然教室の内容でした。実際のリモートでは時間が限られていて充分に取り上げられなかったこともこのブログには書き加えています=
コロナ禍の中に暮らすわたしたち。子どもたちにも様々なしわ寄せが来ています。そのひとつが、友達と一緒に野外で活動することです。野外で活動する中で、子どもは人として必要な「力」を身に着けていきます。人との関係の取り方。自分の五感を働かせて得られる不思議。分からないことへの探求。危険を察知し瞬時に求められる判断力。そして、難しいと思っていたことをやり遂げられて得られる自尊心などなどを遊びの中で獲得していくのです。
その中には、生物との出会いもあります。生物を観察しながら、重要な個々の生物についての知識を得ていきます。この知識は多ければ多いほど、自然の中の重要な概念や法則などを学び取っていく土台を形成していくことになるのでおろそかにできません。できることは、何でもやって子どもの育ちにひずみが出ないように精一杯努力します。 次回の自然教室は9/13を予定しています。