植物の名前が分からない時、図鑑で調べるわけですが、「何かいい手掛かりはないものだろうか」~それが知りたくて知りたくて、我慢できなくなった時がありました~今から、20年くらい前になるでしょうか?結局、その気持ちは、おさまらず、とうとう、植物分類学の先生のもとを訪ねました。


「名前の解らない植物に出会った時、図鑑を調べるいい手掛かりはないものでしょうか?」

すると、先生は、

「知っている植物の名前を思いつくままに言ってごらん」とおっしゃいました。


脈絡もなしに片っ端から先生の前で植物の名を言い続けました。


かなりの時間、思いつくままに・・・・・・・・・・


やがて、先生が、「それだけ言えたら、解らない植物に出会っても、図鑑を引く手がかりはあるはずですよ」と・・・・・。


ええっ???


私としては、例えば、茎が四角の植物に出会ったら、それはシソ科の可能性が大きい~などというように、どの科にはどんな特徴がある~というような話を伺えると期待して行ったのに~。聞けませんでした・・・


結局、そんな単純化できるようなものではないということなのでしょうね。


それが今になって、先生のおっしゃった通りだったなあと実感できるようになっています。


~その実例を上げて見ます~

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

用水路沿いに見つけた植物



この名前が解りません~



初めて見た植物だった場合~しばらくは、いろいろな角度から見てみます



あまり、早く答えを見出そうとはしないで、落ち着いて見てみます。

すると、これまで見てきた植物の中から、似ている植物の名が浮かんできます



私の場合、「セロシアシャロン」が浮かんできたのです。


以前、庭に植えたことのある園芸種です。この花を見ていたら思い浮かんできたのです。



このセロシアシャロンは、ケイトウの仲間です。ケイトウは、ヒユ科!


そこで、ヒユ科を図鑑で調べるのです。

ありました!帰化植物図鑑の方にホソバツルノゲイトウです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんなにはうまくいかないこともありますが、しかし、あの大学の先生がおっしゃった通り、たくさんの植物を見ることで自分の手がかりを多岐に広げておくことこそが同定する上で最も力になるのですね。