残念なことに毎年、放棄田が増えていきます。田は、イネが育って来ていますが、今年も新たに稲の植えつけのない田がいくつかあります。
そういう放棄された田だったところは、このようになります。
茶色のフランクフルトソーセージのような穂が1~2mほどになって生え広がっています。
茶色の部分は、実です。ここに雌花があったのです。その上の細く突き出たのは元、雄花があったところです。花粉は風で雌花につきます(風媒花)。
熟すと、綿毛をつけた実が風に吹かれて飛んでいきます。
飛んだ実は、水面に落ちると綿毛から種が外れて、水底に沈み、やがて芽生えるのです。水辺のビオトープを作った時に、このガマが生えるとトンボなどが羽化する時に上って来るのにとてもいいのです。しかし、ガマは地下茎がすごく立派に育つものですから、陸地化していき困ったことが起きるので絶えず増えすぎないように調整していないと大変なとこになります。
★自然体験と国語
・小学校2年生の国語の教科書(光村図書)に「いなばの しろうさぎ」の話があって、このガマの穂綿が出てきます。
・子どもたちが学習する文学教材は、日本の自然風景を背景に描かれていて、さまざまな生物も登場します。思い出してみてください、「ごんぎつね」モズ、ハンノキ、ハギの葉、ススキ、ヒガンバナ・・・・「大造じいさんとガン」ガン、沼地、タニシ・・・・・
自然体験をたっぷりしている子どもは、こうした日本の優れた文学作品を読んだ時にイメージ豊かな読みができるのです。体験の乏しい子どもはせっかくの作品を読んでも、浅い読みに終わってしまうのです。