S小学校Nさんの実践から
色水につけた植物の茎や葉を切り、水の通り道を調べました。
まずは、ユリで調べました。
青い染色液に白いユリをつけて2時間くらい放置すると、花びらが真っ青になります。葉も青っぽくなり、自然ではあまり見ない色合いになりました。
この茎を切り、どのように染まっているか観察します。
まずは、予想をノートに書き、お互いに説明しあいました。
一番はじめは、みんな茎全体が染まっていると予想していました。
~ここで、もう一度、ユリをよく見るようにNさんが指示します~
ユリが染まっている部分をよく見たうえで立てた予想は、「花や葉を見たら、まわりの方だけ染まっているから」ということで、予想を変更しました。
実際に、茎を縦と横に切ってみると、予想に近い結果が得られました。
~Nさんは、ユリ以外の身の回りに生えている植物についても、同様に色水につけて子どもたちに確認させました~
ユリ以外の植物についても調べました。たくさんの植物で観察し、比較することで植物の身体のつくりが似ていることに気づいていきます。
~子どものノートには、どの植物にも共通している点、類似していることが記されていました~
いつでも、答えだけを求めがちですが、事実をよく見て、考えて、答えを導き出す過程を大切にしたいと思っています。
以上
S小 6年A組学級便り「1000のバイオリン」NO.34&35より
“小学校でも高学年になると一般化して認識する学習が大切です。今回は、維管束がほとんどの(正確にはシダ以上)植物にあることを学び取るわけですが、その時に、もし、ユリだけの実験で子どもたちが学習していたとしたら、この「どの植物にも維管束があるんやなあ」という認識には、至らなかったことでしょう。自分の身近にある植物のどれにもそれが確認できたことによってはじめて、子どもたちは、そういう認識に到達できるのです。「答えを導き出す過程を大切にしたいと思っています」と書かれていますが、こういう取り組みをするかしないかによって、授業がまるっきりちがった質のものになっていくことをこのことは表しています。Nさんの実践から学ぶことは、非常に大きいのです。”