近くの幼稚園で自然体験の大切さをお話しする機会を設けていただきました。
自然体験を通して、幼児がどんなに人間として大切な力をつけていくことになるのか、常々、考えていることをお話させていただきました。メモを取りながら頷いて聞いてくださっていました。また、園庭周辺の生物の観察も行いました。
具体的に草遊びを例に、五感の一つひとつがどのように刺激され、働いているかを確かめ、それが感性の育ちへとつながっていることを考えあいました。
園庭でのフィールドワークでは、実際に生物を採集し、手に持って観察しながら進めました。
植物の特徴、名前の由来、「花から実が形成されていく仕組み」などを個々の植物種を取り上げながら、とらえていきました。
ネズミモチの草笛、イヌマキの手裏剣~実際に体験できました。すぐにうまくいかなくても試行錯誤しているプロセスで子どもたちは多くのことを学んでいるのだと捉えることの大切さを伝えたかったです。それが、やがて、成功し、自信をつけ、さらなる活動の意欲へと発展していく~そんなたくましい子どもたちを自然体験を通して、是非、育てていってほしいと思いました。
園庭には、子どもたちの活動に生かそうと、「どんぐり」(ブナ科)=クヌギがたくさん植えられていました。また、植えられていたブナ科の樹木のうち、葉の鋸歯の違いによって、アラカシとシラカシが見分けられることも確認しました。
蝶などは、種によって産卵する植物が決まっていること(食草をもっている)を、ミカンの木のアゲハチョウの幼虫を見つけ、確かめました。
子どもたちの成長、発達に多くのプラスの影響を与えられる自然体験。それが充分に子どもたちに保障されない現代の諸条件を克服する上で、幼児教育に携わる先生方の役割がどんなに大きいかを今更ながらに感じながらの研修でした。
今回の研修では、昆虫は、テントウムシとアゲハチョウくらいしか確認できなかったので、最後に、持って行っていたコメツキムシの跳ね上がる~おもしろい動きを観察していただきました。目を見張っていらっしゃる先生方が多かったです。
この幼稚園の玄関に入ると、イタドリやキツネアザミなどの季節の植物が子どもたちの朝を迎えています。脇には、大きなケースの中でカブトムシの幼虫がふかふかの腐葉土の中で育っています。本幼稚園が子どもの成長・発達を促すうえで、自然(生物)とのふれあいが大きな役割を果たすものであることを踏まえようとなさっているのがよく解ります。
今後も、「自然体験と子どもの成長・発達」に関する研修に繰り返し取り組むことで、「しなやかで賢い子どもたち」が育つ幼稚園教育を創りあげ、実践していってください。自然(生物)のすばらしさを子どもと共に楽しめる幼稚園をめざし、先生方の一層の研修、情熱に期待します。
2時間の枠で20人の参加という条件でしたので、私の力では充分にはフィールドワークを楽しんでいただけなかったように感じました。
明日、遠足だというのに遅くまで研修に参加していただきました。ご苦労さまでした。