「それまで荒れていた学校が落ち着いていったんですよ~」
「この小学校の子には、体育が嫌いな子はいないんです」
「ここの卒業生は、中学校に行った時、一番話し合いが上手だって」
「男女がとても仲良しなんです」
I小学校の先生方が、自信を持って語ります。そして、こういう子どもたちを育む上でこの学校あげて取り組んでいる体育の学習が大きな役割を果たしているんだと~
その話を今回の例会でうかがうことができました。
I小学校のIさんが「からだ作り運動を考えよう~小学校低学年」のテーマでレポートをしてくださいました。
1年生の子どもたちと取り組んだ「多様な動きをつくる運動遊び」の実践報告を中心にお話してくださいました。
子どもたちの意欲を引き出すために様々な工夫を凝らしています。名前も「にんじゃ大作戦」です。
忍たま乱太郎の音楽を流して今日のリーダーさんがする動きの真似から入ります。
体育館に子どもたち自身が7つの場と用具を準備します。協力して準備が済んだら、2人組で行きたい場を選んで、今、自分が出来る動き=技で楽しみます。そして後半は、4人グループで活動します。[ローテーションで1時間に2つの場]それぞれが工夫した技を他の子どもたちも真似ながら様々な動き=技が広がっていきます。
アイデアが浮かばない場合の手立てとして、前時までの子どもたちの工夫した動きを、写真と指導者からの一言を添えて、「秘伝の書」と名付けたノートをそれぞれの場に置いてあります。それを見て真似ることもできます。
こうした子どもの動きを主軸に展開していく活動を経ることにより、運動をみんなが楽しく続けていった実践例でした。真似るということを進んで取り上げることによって、子どもたちの関わりが増え、多くの運動遊びが行えたということでした。
指導されたI先生は「子どもたちの創意工夫は私の予想を超えていた」とおっしゃっていました。
こういう子どもの主体性にたった授業構成・展開によって子どもたちは体育を本当に好きになっていくようです。
Iさんのレポートに続いて、Eさんが高学年での取り組みを野球型ボール運動を例に話してくださいました。野球を知らない子どもたちを対象に学習をするという当然の前提をしっかり踏まえ、「ティーボール」として授業を構成していきます。本来の野球のルールにこだわらず、子どもたちが楽しく活動できることを最も重視して、用具もルールも自由に発想していくのです。その結果、少年野球をしている子どももそうでない子どももみんなが楽しく意欲的に参加していく授業を積み重ねていくのでした。
また、チャレンジランキングにみんなで取り組む中で、落ち着かない状況だったクラスが、できない子には励ますしかないことを実際に学び取っていきます。「ありがとう」「ごめんなさい」「ドンマイ」と言葉を交わしながら関わり合いを深め、クラス作りが前進しているというお話でした。
体育という教科は、子どもたちのありのままの姿がでやすい特質を持っています。その学習過程を、こうしたどの子も楽しく活動に参加していける授業として構成することにより、子どもたち相互が励ましたり、支えたりする関わり合いが必要であることを気づかせていきます。そういう中でしか目的を達成できないことを知るのです。
これが、子どもたちの普段の生活にも反映していった結果が冒頭に述べたような先生方の自信のある「I小学校の子どもたちって、こんなに素敵なんだ~」を生み出しているということなのですね。
体育科が人格形成に直接的に大きく影響する重要な教科であることを改めて学ぶことができた例会でした。レポートしてくださったみなさん、ありがとうございました。
蒸し暑い日でしたが、仕事を終えて、次から次へと16名の参加者が集いました。差し入れしてくださったFさん、Kさんありがとうございました。次回の例会の日時についても、決定しました。次回のレポーターはNさんです。(メッセージボード参照)