昨日(2/8)、2月例会を行いました。とっても冷たい風の吹く夕方、仕事を終えて集まりました。
初めは、Kさん(H小)のレポート。昨年末、子どもたちとリース作りに取り組んだ実践から、子どもたちが学び取ったこと、そして、子どもたちが自然体験を通して変容していった姿からKさん自身が学んだことを中心に報告してくれました。藪に入ってのカズラ採り、野原での材料集めに参加した13人の子どもたちは、始めこそ戸惑いを見せながらも、活動を進める中で、徐々に生き生きした表情を見せ始めたということでした。カズラを力いっぱい引っ張って感じたカズラの「生」の姿。「ノイバラの実、痛いとげがあるけど綺麗。」「ノブドウの優しい色、私のお気に入り。」と、冬枯れの野原の中に見つけた美しいもの。そして、こんな身近にこんな美しいものがあったなんてという驚き。この活動を終えたとき、子どもたちは喜びにあふれていたということでした。
そして後日、この材料集めに参加した子どもとそうでない子どもとで、全く違ったリースを作ったという現実を写真を見せてくれながら、お話してくれました。子どもたちにとって、こんなにも体験するということが大きな変容をもたらすということ!実際に触れることの大切さを感じたということでした。そして、子どもたちがそれを契機に日常の学校生活でもこれまでとは違った明るくなったというような思わぬ、変化も見られているということでした。
それを受けて、事務局のWから、わずか2時間半の材料集めの活動なのに、子どもたちの表情がなぜそんなに変化したのかについて、考えていることの報告がありました。それは、普段のテレビを中心としたメディアから得ている自然や生物についての情報を通して、子どもたちは、自然や生物の美しさや、それらをめぐる心配な現実について心を動かされている。しかし、現代社会では、それらに距離を置くくらしになっているため、身近に自然がある地域に住んでいても、足を踏み入れていない状況になっていること。そういう中で、今回の材料集めの機会を子どもたちは得て、自分たちのすぐ身近にメディアを通して見ていたあの美しい興味のある自然や生物があることに気づき、感動したのではないだろうかという分析であった。
休憩をはさんで、その後、昭和30年を境に日本人の暮らしが大きくハンドルを切り、体験も大変化したために、体験を通して身についていた力がそれまでとその後とで異なっていること。そのことから子育て・教育上の様々な問題が生じていることについて出された。現代の速くて便利で簡単な暮らしの良さを大いに生かしながら、過去の不便な暮らしの中でこそ身についていた人間的な力を回復するための大切な体験をプログラム化してでも、子どもたちに育てる必要性があることを強調された。そのことが、現代人の課題ではないかという問題提起であった。
話し合いの中で、それぞれが、実践的な立場で体験の大切さについて出し合えた。体験の質を見極めながら、日常の暮らしや子育て・教育活動をもう一度、見つめなおして、しっかりした子どもを育てていけたらという話になった。NCEGの役割の核心が明らかになったように思った。(文責 W)