いつもは行かない田の中の道を山の裾野に向かって歩いていきますと、赤い橙色の大きな花がふた株ほどですが、咲いていました。ノカンゾウです。
夏の花です。花弁の先が反り返っています。
ユリ科の植物です。すでに、咲き終えた花の跡が残っています。ただ、実は、できにくいそうです。
カンゾウのことは、小学生のころに父に教えてもらいました。そして、食べ物に困ったときには、これは食用にしたんだという話もしてくれていました。
父にカンゾウの話を聞いたことを思い出したら、カンゾウの生えていた場所も思い浮かびました。その頃のこの辺の様子は、今は、見る影もありません。カンゾウの生えていた畔は、両側の田畑が耕作されなくなり、藪になってしまっています。そのために、毎年カンゾウが生えた日当たりのよかった畔は消えています。
まだ、山にはツクツクボウシの声が少し残っていますが、夏は終わったようです。
今年の夏に見られた植物や昆虫などが来年もいっそう数を増やして、この地にどうか現れますように~