7/6中央コミセンで7月例会を開きました。これから教職を目指す講師の人なども含め、若い方々を中心に12名の参加がありました。この日は、H小のTHさんの「校種変更、初任研、そして、今年」と題して、THさんのこれまでを振り返りながら、その中で何を学んだかをお話ししていただきました。
初めて学校現場にたったのは、中学校で講師としてでした。その中学校で出会った不登校のT君(中2)が学校に来れるように、どうすればいいのか苦悩します。会ってもらえなかった日々が続き、その中で共通点を見つけ、働きかける日々でした。それは、ブラスバンドであり、ゲームや動画でした。やっと話を聞いてもらえるようになり、つながりを持てるようになったと実感できるようになります。やがて、THさんの社会科の授業50分だけ登校するようになり、2学期頃には、表情に変化が現れます。「授業を楽しみにしている」というお母さんからの話もありました。THさんの指導するブラスバンドの演奏会にお母さんと聞きに来て、大変良かったと喜んでくれたりもしました。3学期になると社会科以外の教科も教えて欲しいとお母さんからの要望が出ます。そうした中、T君は、友だちの誘いもあって、教室に来れるようになっていったのでした。
中3時には担当から外れましたが、卒業の前日、T君はTHさんに「先生、お世話になりました」と挨拶に来たそうです。
この時、THさんは、自身が「T君が先に進める手助けになれたんだ」と感動したそうです。
その中学校で2年いて、その後、初任者となってH小学校に赴任。5年生の学級担任として子どもたちの前に立ちますが、初任研等の忙殺されるような中で、もがくような1年間を過ごします。そして、今年、その子どもたちと一緒に6年生の担任として1学期を送ってきて、今、気づいたことがあります。
それは、去年一年間は、子どもたちときちんと向かい合えていなかったということでした。THさんは、T君とのあの時のことを忘れないで子どもたちと向き合い、教育活動に取り組むことこそ、一番大切なんだと決意を新たになさっているそうです。
このお話の後、参加者がそれぞれの感想などを語り合いました。自分をふりかえって、あるいは、自分の今ぶつかっていること、また、自分の娘が小学校低学年の時に出会った担任の先生との連携した子育てのことなどが出されました。THさんがT君と向き合い、どうすればつながりを持てるようになるのか、そして、心を通わせられるようになるのかに真剣に取り組んだ姿に感銘を受けたという発言でした。
上意下達ではなく、子どもに寄り添い、子どもがやがていつの日にか心を開くのを期待しながら、細やかに・やわらかく・粘り強く働きかけを続けていき、自分とその子どもとが共感し合える体験を積みながら、やがて信頼関係へと発展させていく=これこそ教育活動の原点であるとみんなで確かめ合った例会になりました。
THさん、ありがとうございました。
※なお、1学期の打ち上げ的=2学期に向けての心の準備をする的な例会~みんなで悩んでいることやら、困っていること、それにうまくいったことなどなど、何でも自由におしゃべりしあいながら、学び合えるような例会~を8月の終わり頃に持つことになりました。日程等は、一番忙しい、H小のTKさんが設定してくれることになっています。しばらくお待ち下さいね。分かり次第、ブログでお知らせします。みんなで楽しく盛り上がって、2学期を向かえられるようにしましょう!!