そのレモンの木にやってきていたのは、クマバチでした。クマバチはミツバチなどとは違って大きくて力強い。羽音もブンブンいって、飛んできます。それが花から花を巡るのです。蜜をとっているところまでは確認はできませんが、一つの花に行ったら、ほんの少しの間ですが、立ち止まり、また次の花へ向かいます。その時、大きい体で羽をふるわせるためにおしべが落ちたりするところも、見られます。

 このクマバチは、他のハチと違って、ブーンと近づいてきて威嚇するような行動をとることはないように思います。体つきや音などとは違って、おとなしい印象のハチです。「ハチだから、怖い」ではなく、落ち着いて観察するようにしましょう。大人がそういう姿勢で動物に対していることが、子どもたちが、生き物への真摯な対し方を学んでいくことに影響を与えるのです。


 なお、ハチのうち刺すのは雌だけです。観察するときは、ハチが来たからと言って、あわてて手を振り回したりすると、ハチの方が攻撃されたと思い、防御のために攻撃的になり刺すような事態が生じます。


もっと、レモンの木をよく見ていると、

「あっ」葉の上に


NCEG 自然・子ども・教育の会
 そうです。アゲハチョウの幼虫です。この後、何度か脱皮をくり返しながらさなぎになる日を迎え、やがて成虫になります。

 

 ミカンの葉を供給できるならば、ぜひ、飼育して観察するようにしましょう。これは、ナミアゲハの幼虫なのか、ナガサキアゲハの幼虫なのか・・・・。飼育したら確かなことが分かります。



 こういう経験を一つ一つ積み重ねながら子どもたちが育つようにしましょう。PCなどの検索ですぐに情報が手に入る暮らしが子どもたちを取り巻いていますが、本当の学びを小さい頃から経験できるように大人自身が安易な手法に染まってしまわない暮らしを意志を持って維持し続けることが求められている時代だと思います。