小学校では、アブラナを教材にして植物の繁殖を学習します。それは、花から実になるまでが一つの株で同時に見られるからでしょう。小学校の子どもたちの自然認識を豊かにするには、「具体的に いろいろな植物で 気づかせたいことを=学んで欲しいことを 取り上げる」が基本だと思います。


 今、田畑には、春に咲いた花々が実(種)になってきています。いっぱい生えているレンゲとカラスノエンドウを見てみましょう。


まず、レンゲから


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レンゲの花びらとおしべは落ち始めています。残っためしべの元が太くなり始めているのが分かります。それが育っていくと



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こんなに太くなってきて、実(種)ができてきます。それが熟すと



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真っ黒に色が変わってきて、真ん中の溝で二つに分かれていますが、その内側は皮がうすく、中から種が見えたのもあります。



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この種が来年以降のレンゲという植物種を維持し続けていくのですね。



次に カラスノエンドウ


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カラスノエンドウの花です。花の下には、めしべの名残のある実がついています。

この実(種)が育っていきます。


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こんなにプリプリのりっぱな実(種)になっていきます。そして・・・・・・


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実が真ん中から割れて、中にあった種が飛んで出ていきます。レンゲよりもすさまじい種の散布ですね。


 レンゲもカラスノエンドウもどちらも、似ているでしょう、花も実も。これらは、同じマメ科植物だからです。


 今、戸外に出ると、さまざまな植物が花から実(種)へ変化してきています。子どもたちと一緒に、一つ一つ確かめてみて下さい。


 低学年の子どもには、いろんな種類の植物をていねいに見ることを最も大切にしましょう。生物大好き ほんものをたくさん見て、知る が低学年です。

 高学年の子どもも、まずは、こうした個々の植物を見ることが大切です。その上で 花が植物にとっては、繁殖するための器官であることを見つけるのを待ちましょう。

 それをしないと、「花は、植物の繁殖のための器官である」と参考書に書いているのを暗記する、そんな理科に陥り、おもしろくない理科になってします。けっしてそんなことにならないようにしましょう。理科っておもしろい!!!ものなんですから。どの教科だってそうだと思いますよ。